35/329
35
とある王国の国立学園の学生食堂にて、昼休み中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「兄から伝言よ。『約束のブツの受け渡しは明日になる』だそうよ」
「分かりました。伝言ありがとうございます」
「約束のブツって何? すごく気になるわ」
「貴方に教えることはできません」
「そう。それなら私にだって考えがあるわ。明日から仮面をつけて過ごそうかしら?」
「なんて酷い脅しをするのですか!? 貴方には人の心がないのですか!? そう言われては仕方ありません。約束のブツとは、幼い頃の貴方の姿絵のレプリカです。俺はもっと、もっと早く貴方と知り合いたかった! 成長していく貴方の顔を、この目に収めたかった!」
「どんだけ私の顔が好きなのよ。この面食いめ」
 




