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とある王国の国立学園の学生食堂にて、昼休み中のグーフィルとラキスが話し込んでいる。
「今年の貴方のお兄様のホワイトデーのお返しは、婚約者の令嬢にとても喜んでもらえたそうです」
「あの兄のお返しが喜んでもらえたですって!?」
「チョコメロンパンについてきた貸し一つ分で、俺も一緒に選びましたので」
「未だかつてないぐらい、貸し一つが有効利用されたわね」
「そしてこれは俺からのお返しです」
「ほぼ何もしていないのに、お返しをもらうと罪悪感がすごいわ」
「何であったとしても、用意しようとしてくれた貴方の気持ちが俺は嬉しかったです」
「当日の朝兄に言われるまで忘れてたのに、貴方はそれでいいの? 引くわー」
「そんなー」




