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とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「昨日の夜うちの屋敷でGが出たのよ」
「あの悪魔が出てしまったのですか」
「料理人が調理場で影を見たところから、全てが始まったわ。奴は屋敷の中を飛び回り、その姿を一目見ただけで、誰も彼もが大パニックよ」
「想像するだけで恐ろしいです」
「屋敷には住みつきやすいとも言うし、一匹ではすまないとも言うでしょう? 退治するのはかなり骨が折れそうなのよね」
「だからしばらくうちに泊まりたいと言ってきたのですか」
「ええそうよ。ああ恐ろしい。本当に恐ろしいわ…………あの、ゴースト」
「……俺の思っているGではありませんでした」




