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とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「私を待つ時に首が伸びるのは、生理現象だし仕方がないことだと思うわ。でもね、首を伸ばしすぎて、私が来たのに気が付かないのは本末転倒よ」
「すみませんでした」
「声をかけても、首をさすさす撫で撫でしても、何も反応はないし、頑張って貴方の首を手繰り寄せたから腕がとっても怠いわ」
「俺の知らないところで、そんな痴女のようなことをしていたのですか!?」
「首に触れただけで痴女扱いは酷くないかしら?」
「貴方の首の触り方がいつもイヤらしいからです! 空気が薄くて頭がぼーっとしていたので、首が伸びている間の記憶が曖昧なのは、俺にとって不幸中の幸いかもしれません」
「貴方の頭は一体どこまで行ってたのよ?」




