前へ目次 次へ 263/330 263 とある王国の国立学園の学生食堂にて、昼休み中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。 「今年も奴らが土の中から這い出し、人を苛立たせる騒音を発生させ、傍迷惑に地面に転がる季節が来たわ」 「今年もまたセミの話ですか。毎年毎年飽きませんね」 「セミの愚痴を聞き飽きたなんて言わせないわよ。これから先も貴方は、セミの愚痴を毎年毎年聞く運命にあるわ。そう、死が二人を別つまで」 「……顔は良いのに、何を言っているのですか? 顔は良いのに……」 「……ちっ」