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とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「今日は何だか屋敷内が慌ただしいわね」
「年末の大掃除の最中ですから。ちなみに総指揮をとっているのはうちの父ですが、普段掃除をしないため適切な指示が出せておらず、使用人達から大ブーイングが上がっています。メイド長を首謀者としたクーデターが起きるのも、時間の問題でしょう」
「あらそうなの。私は大きなかき揚げが乗った年越しそばが食べられれば、何でもいいわ」
「大きなえび天も用意してありますが、どうしましょうか?」
「どっちも食べたいわね。でも天ぷらを乗せすぎると、おつゆが全部持っていかれるのよね……。……二杯食べればいいんじゃないかしら?」
「さすがの解決策に辿り着きますね」




