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とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のグーフィルとラキスが話し込んでいる。
「屋敷の倉庫から、人外が書き残した物が発見されました。それを解読したところ、不思議なことが書かれていました」
「何て書いてあったのよ?」
「ときどき赤いのと緑のが恋しくなる。お湯を入れて五分と三分待つだけの、あのきつねとたぬき。意訳するとそんな内容でした」
「きっと人外がいた異世界には、カラフルなきつねとたぬきがいたのね」
「異世界は奥が深いです」
「ところで、私の蕎麦はまだかしら?」
「催促する程食い気全開です」




