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とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「おにぎりを作るのは結構難しいのね。貴方が作ったのは、きれいな三角形で美味しそうだわ。それに比べて私のは……」
「味は形に左右されません。むしろ正八面体と正十二面体のおにぎりを作った、貴方の方がすごいと思います」
「じゃあ交換しましょう?」
「ではこちらをどうぞ」
もぐもぐもぐ。
「……具が入ってないわね……。そういえば私も入れ忘れたわね……」
「具が入っていなくても、貴方が握ってくれたものなら俺は美味しいです」
「残念ながら! 私は! 具にこだわる派よ!」




