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とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「あら、ようやく戻って来たのね」
「待ち遠しさのあまり首が伸びすぎて、貴方の部屋まで到達してしまいました」
「私はこっちに来てるのに、貴方の頭はうちの屋敷。こんな物理的なすれ違いをするのは、私と貴方ぐらいよね」
「貴方を待ちくたびれた俺を、少しは労ってください」
「今回に関しては、約束の時間を間違えた貴方が悪いわ。何時間間違えたのよ?」
「たったの六時間程です」
「たったじゃないわね。首を伸ばし続ける前に、何かおかしいと気付きなさいよ」




