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とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「ねえ……、どうして教えてくれなかったのよ……」
「芋羊羹でも食べて、元気を出してください」
「言われなくても食べるわよ……。でもまさか、冷やし中華がいつの間にか終わってただなんて……。貴方なら終わるのだって、分かってたはずよね? 終わる前に教えてくれたっていいじゃないの!」
「これだけは言わせてください。声高に始まり、いつの間にか終わっている。それが冷やし中華というものです」
「それなら仕方ないのかしら……?」




