211/330
211
とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「これは何なのかしら?」
「これは先祖の人外が伝えた、ちゃぶ台というものです」
「木製のテーブルの一種……でいいのよね?」
「テーブルのように見えて、実は違います。これは勢いよくひっくり返すことで、怒りを表現するための道具だそうです」
「怒りを表現するためだけに、この道具は存在するの?」
「はい、そういうことになります」
「じゃあ今このちゃぶ台でお茶会をしてる私達は、間違った使い方をしてることになるのね。異世界の文化は不思議だわ」




