前へ目次 次へ 204/329 204 とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。 「はぁ~」 「深い溜息ですね」 「ちょっと疲れたのよ。貴方の妹さん相手にキレるわけにはいかなかったから、我慢するのが大変だったわ」 「俺の妹が何かしたのですか?」 「たぶん誰かの受け売りで、彼女に悪気は無かったんだと思うんだけれど、『閑さや~岩にしみ入る~蝉の声~、げに風流なり!』って、想像しただけで虫唾が走るわね」 「虫だけにですか?」 「ちっ」 「すみません!」