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とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のグーフィルとラキスが話し込んでいる。
「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください」
「全く動かないわね」
「言語が違うので、戸惑っているのかもしれません」
「ああ言語ね……って、貴方の首がものすごく動いてるわ!?」
「俺は首を動かしていません!」
「コインではなく、貴方の首に降りてしまったの!?」
「折角なのでこっくりさんに何か質問してみましょう」
「首が乗っ取られてるのに冷静ね!? じゃあ、この国で一番の面食いは誰?」
「それを訊くのはどうかと思います」
「首が急に大人しくなったわ。答えに困ってるのね! 誰が一番の面食いなのかで困ってるのか、首に降りたせいで質問に答えようがなくて困ってるのか、どっちなのかしら?」
「たぶん両方です……。俺も家族も甲乙つけがたく面食いなので……」




