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とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のグーフィルとラキスが話し込んでいる。
「こちらタネも仕掛けもない箱です」
「そうね、絶妙に首が入りそうな大きさの箱ね」
「首が入っていたとしても、箱自体がただの箱なら、タネも仕掛けも無い箱と称して良いのではないでしょうか!」
「つまり貴方の弟か妹さんの首が、箱の中に入ってるってことかしら? がさごそ箱の中で動いてるわね」
「催促されているので、話を進めましょう」
「ネタバレの突っ込みどころが多すぎるわ」
「こうして蓋を開けると……、箱の中には何もありません!」
「え!? 手品で驚いたよりも、これが普通の手品だったことが驚きよ!」
 




