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とある王国の国立学園の学生食堂にて、昼休み中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「昨日の夜中に物音がして目が覚めたわ。どうせ貴方の首が部屋に来たんだろうと、最初は思ってたのよ。でも違ったの」
「まさか何かが部屋にいたのですか?」
「部屋の中ではなく窓の外に、黒くてもじゃもじゃしたものがいたわ。目が合ったら『夜分遅くにすみません。どうもタヌキです。お騒がせしております』と言われたから、あれはタヌキだったのよ」
「ううん? それは本当にタヌキですか? タヌキではなくありませんか?」
「タヌキよ。本人がそう言ったんだもの。ネコはいませんが、タヌキはいます。よろしくおねがいします」
「ミ、ミーム汚染されている……? こ、ここでまさかのホラー展開ですか……?」




