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とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、羽根突き中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「また私の勝ちね。……貴方が負けすぎて、もう墨で書けるところがないわ。肌の色が分からないぐらいに、顔面全て真っ黒よ」
「顔が無理なら、首にお願いします。首ならいくらでも書けますので」
「ねえ、最初からずっと私が勝つように手加減してるわよね?」
「俺だって好きで手加減しているわけではありません」
「じゃあどうしてなのよ?」
「貴方の顔に墨で落書きするなんて、俺にはできません!」
「新年早々ほんと面食いよね」
 




