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とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「きゃあ! 急に突風?」
「大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。突風というか、何かが勢いよく通り過ぎたような……」
「気にしないでください。俺の弟の首が通り過ぎただけです」
「え? 首? 尋常ではない速さだったわよ?」
「最近弟は、首の速さを追求することに目覚めました。当面の目標は音速を超えることだそうです。くっ、有線の俺では到達できない高みへと」
「え、そこまで悔しがることなの?」
 




