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とある王国にあるスーファント侯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「今年の肝試しはちっとも楽しくなかったわ」
「迷子にならなかったのにですか?」
「確かに迷子にならなかったのは良かったわ。でも、全然肝試しになってなかったわよ」
「そうなのですか? 言われてみれば肝試しで、怖がる貴方を全く見られませんでした。ずっと楽しみにしていたのに」
「恐怖顔まで楽しみとか、ほんとこの面食いめ。楽しみにし過ぎて貴方の首が伸びてたせいで、脅かし役が皆びびってたじゃないの! 脅かし役を逆に脅かしてどうするのよ!」
 




