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とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「あの二人、今日は屋敷にいないのね」
「あの二人ですか? 俺の弟と妹なら、今日は朝から出かけています」
「二人揃ってどこに出掛けたのよ?」
「夏風邪をひいたデュラハン氏に代わり、深夜の徘徊業務を行って欲しいと頼まれました」
「あの二人に代わりができるものなのかしら?」
「首が外れてさえいれば、何でもいいそうです。また家族会議の結果、未成年が深夜に出歩いては駄目だということになり、昼に徘徊業務を行うことになりました。二人が朝から出かけているのはそのためです」
「突っ込みどころが多すぎるから、これ以上何も突っ込まないことにするわ」




