109/329
109
とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「ちょっと!? 今貴方のお父様が、空を飛んで行ったわよ!?」
「気にしないでください。ただの人間大砲の実演中です」
「人間大砲?」
「人間大砲にはばね式や圧縮空気式、ゴム式がありますが、うちのは圧縮空気式です」
「仕組みに関しては、別にどうでもいいわ」
「父がどこかで知ったのをやってみたいと言い出して、このザマです」
「もはやこのザマ呼ばわり……」
「使用人たちも含めて、皆ノリノリで準備していました。特に母と妹が」
「ぶっ飛ぶのは首だけで十分よ……」
 




