107/330
107
とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のラキスとグーフィルが話し込んでいる。
「この短冊に願い事を書けばいいのね。……………………書き終わったわ」
「俺も書き終わりました」
「貴方はどんな願い事を書いたのかしら? ちなみに私は『美味しい物がたくさん食べられますように』よ」
「俺は貴方に絶対引かれるので言えません」
「ふーん、隙ありよ」
「短冊を奪わないでください!」
「…………これは……引くわ。こんな声に出すのも憚られるような内容を、人目につくところに飾ろうとした貴方に、ますますドン引きよ」
「そんな目で見ないでください! でも俺にドン引きしているその表情も最高です!」




