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とある王国の国立学園の学生食堂にて、昼休み中のグーフィルとラキスが話し込んでいる。
「この前のやり取りのおかげで、俺は溺愛の神髄に辿り着きました」
「もう嫌な予感しかしないわ」
「溺愛とはつまり、相手を『ヨイショッ!!』することです。それは物理的なものであっても、精神的なものであっても構いません。物理的な『ヨイショッ!!』はサボテンや曲芸で既にやったので、今度は精神的な『ヨイショッ!!』に挑戦したいと思います。つまり、今日も貴方の顔は良いです!」
「言ってることが普段と変わらないわね」
「もしや俺は無意識のうちに、普段から溺愛を行っていた……?」
「顔しか褒めない溺愛なんて聞いたことないわよ」
 




