#0 森に捨てられた悪魔
始めて挑戦するジャンルの作品なのでお手柔らかにお願いします。
自然豊かに、緑が生い茂る森"美景の魔森林"、ここの森は人を全く寄せ付けない。
そんな森の草むらの中に捨てられ、泣き叫ぶ赤ん坊がいた。
そこに偶然通りかかった老人に赤ん坊は拾われた。
老人は時速120kmで赤ん坊を抱え、その健脚で地面を蹴った。
あっとゆう間に森を抜け、離れの20人程度の小さな村に着いた。
老人は息も切らさず、自宅へと向かった。
自宅へと向かう途中、村の住人に赤ん坊の事を度々聞かれた。
老人はただ、"友の子を預かった"と答えた。
自宅へと着き、老人は赤ん坊をベッドの上に乗せ、じっと見つめた。
「こんな赤ん坊が"鏖殺の子"なのか………。想像も出来んな。」
老人は一息つき、赤ん坊を抱きかかえた。
この世は、神々が与えた多大なる恩恵により成り立つ世界、"神恵"を与えられし者が君臨する世界、つまり恵みなき者は淘汰される世界。
しかし、100年に一度、"予言の子"が生まれるのだ、それも一人ではない、予言の子が世界の各地に産まれるのだ、それも同じ日、時刻、秒数、全てが一斉に。
その年を"禍の年"と呼ぶ。
予言の子は、この世界の多くの人が受ける"神恵"と呼ばれる特殊な力とは、異なる力を有しており、その力は神恵とは比べ物にならない程の絶大な力を操る事が出来るのだ。
人々は当初、その力を崇め、尊敬の念さへ抱いていた。
しかし、次第にその強大過ぎる力に恐れをなすものが、増えて行ったのだ。
結果、予言の子達の力は"邪罰"と名付けられ、神恵とは正反対の力と位置づけられてしまった。
今では予言の子は、発見次第、即刻、邪罰の"抑制"が義務付けられている。
邪罰と神恵には共通点が有り、そのどちらの力の源が人間の鳩尾あたりにある"開闢"と呼ばれる器官に詰まっているのだ。
抑制には神恵の力を用いた特殊な液体が使われ…………
「…………おい、おい!スルト!聞いておるのか!!?」
机に突っ伏している青年が顔を上げ、
「爺ちゃん、俺明日からいないんだぜ?そんな話でいいのか?何回目だよ、いい加減覚えたしよ。」
老人は顔をしかめ、青年に対し
「だから、お前は力の使いどころを見極めねばならんのじゃ、わかっておろうな。」
青年はため息ついて、
「それも何回も聞いたよ爺ちゃん、わかってるよ、隠し通せるかわからんが、なるべく注意するって、って、もう今日から学校行かなきゃいけねぇから、そう悠長に言ってらんねえか、じゃあ、夏休みに帰ってくるわ。」
と言って、家を出ていった。
「ったく、あの赤ん坊がもう16か…………、早いもんじゃのう。」
予言の子、名はスルト、拳には鬼が宿る。
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