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姉が魔王で私が勇者で

作者: 梅宮姫乃

久々の投稿になります。


 「斥候から北西の街フェルトで魔王軍の幹部に何やら動きがあったとの連絡があった。

 勇者ユーナよフェルトへ行き魔王軍幹部の目的を探り可能なら此れを討て」


 「はっ、かしこまりました」


 私は聖剣デュラルダルを握ると颯爽と謁見の間を出た。

 衛兵や近衛騎士の期待する様な視線を受けながら城を後にする。

 目指すは北西の街フェルトだ。


 私は愛馬テルペルに跨り北西の街フェルトへ向かった。

 普通の馬では1週間かかる行程をテルペルなら1日で走破出来る。

 

 私は勇者ユーナとしてあまりにも有名すぎる。

 ローブを深く被りフェルトの街の門を抜けると人通りの少ない路地を進みある民家に入った。


 「あ!ユーナさんどうしたんですか?」


 そういう彼女サクラムはその特徴的な羽をパタパタさせながら此方へやって来た。


 「どうしたんですか?じゃないよ!なんで貴方がここにいるの!さっさと帰るよ。道中詳しく聞かせて貰うから」

 

 家を出るとさっさと街を出て北へ進む。


 「パティスリーガルモのシュークリームが食べたくて来たけど、お金を落としちゃったからバイトしてて。そこで国王の斥候に見られたと」


 「はい〜ごめんなさい」


 「はぁ」


 パティスリーガルモは王都までその名が届くほど有名なケーキ屋さんで、中でもシュークリームは生地がサクサクフワフワでクリームが滑らかで美味しいと有名だ。

 先着100個で中々買えないということでも有名だけど。


 ため息しか出ない。


 暫くして大きなお城が見えてきた。


 「ただいまーおねぇちゃんいる?」

  

 「お帰りーどうしたの?」

  

 「どうしたのじゃない!おねぇちゃんがメイリーにシュークリーム頼むからわざわざフェルトまで行く羽目になったじゃない!」


 「ごめんごめん、ほら。お詫びにシュークリームあげるから」


 手を頭の前で合わせて頭を下げると上目遣いで此方を見てくる。

 不覚にも可愛いと思ってしまった。


 「もー仕方ないな。おねぇちゃんは魔王なんだから気をつけてよ」


 「はーい」


 リビングに行くとシュークリームを取り出した。

 生地の横からはみ出たカスタードクリームが美味しそう!


 「「「頂きます!」」」


 外はザクザクででも、中はフワッて綿菓子みたいに柔らかい。

 そしてカスタードクリームがブワッと溢れてきて!


 「うま〜」


 あっという間に食べ終えると指についたカスタードクリームを舐める。

 そしてお皿に落ちた生地の外側を指でペタペタする。


 「こらっ、お行儀悪いぞ」


 「だって美味しいんだからしかたないでしょ」


 最後の一欠片までこの美味さを味わいたい。


 「仕方無いなーはいこれも」


 「これは・・・!」


 「新作のレモンクリームシューだよ」


 「うぉぉぉ!!」


 酸味が重めに作られたカスタードクリームと合わさって、幾らでも行ける。

 口の中に広がるレモンの香りのせいで口が早く早くと次を求めてる。


 「「「ごちそうさまでした」」」


 「じゃ私は帰るけど次からは気をつけてね、あといつものお願い」


 「はーい」


 私は大きな袋を担ぐと家をでた。

 言い訳どうしようか、









 「なに!つまり魔王はシュークリームが食べたかっただけだと」


 「はい。しかし自分で行くのは疲れるから部下に行かせたとの事です」


 「なるほどな。よし!次の戦闘の時には大量のパティスリーガルモのシュークリームを囮に使う作戦を考えよう!」


これからはたまに投稿したいと思います

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