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946.衝撃の告白の、お返し状態。

 俺は、次に『固有スキル』の『絆』について話をした。

 『絆』メンバーになると、メンバーが持っている『通常スキル』を『共有スキル』として使えるようになるという話をしたのだ。


 みんなキョトンとしていて、にわかには信じられないという感じだった。

 そこで論より証拠ということで、早速『絆』メンバーとして、ここにいるみんなを登録した。


「え、これは……」


「わぁ! す、すごい……」


「な、何が起きたの!?」


 リリイの母方の伯母のサリイさんと元冒険者仲間のジェーンさん、アイスティルさんが呆けたように呟いた。


「なんと! このスキルの数は……」


「こ、こんなに……」


「スキルレベルが……」


「ほんとだ! スキルレベル10って……」


「し、信じられない……」


 リリイの母方の大伯母であるローレルさんと、元冒険者仲間のサラさん、フェリスさん、ディグさん、オリーさんも、茫然自失といった感じだ。


「こ、これだけのスキルがあれば……」


「うん、多少の格上でも全然戦える!」


 リリイの父方の叔母のアグネスさんとチャッピーの父方の叔母のタマルさんは、感動しつつニヤけている。


 そんな驚きの高揚にどっぷり浸っているみんなに、追い打ちをかける。


 それぞれに、念話を入れたのだ。


 当然のことながら、この念話ができるという事についても、みんな衝撃を受けていた。


 人型のメンバーを新たに仲間にすると、大体いつもこんな感じの反応になるんだよね。


 『共有スキル』という特別なスキルに驚き、その数の多さに圧倒される。

 そして、スキルレベルが10であることに、衝撃を受ける。

 念話ができることで、ダメ押しという感じなのだ。



「グリムさん……これらのスキルを、リリイとチャッピーも使えるということなんですよね……?」


 サリイさんが、確認するように尋ねてきた。


「もちろんそうです」


「レベル55で……これだけのスキルが使えるなら……確かによほどのことがない限り、大丈夫ですね……」


 アグネスさんが、納得するように頷きながら言った。


「確かに……勇者クラスの力があるかもしれませんね。ただ相手が悪魔となると……中級悪魔や上級悪魔が出てくるようなことがあると……心配は残りますが……」


 今度はローレルさんが、少し言いづらそうに言った。


「確かにその通りです。でも逆に言えば、今のリリイとチャッピーを危険にさらせるのは、中級悪魔や上級悪魔、伝説の魔物くらいということです。それらから、二人を守るためには、私の側が一番安全だと思います。『コロシアム村』での『正義の爪痕』との戦いの時に現れた『天災級の魔物』のクラゲ魔物のレベルは、80でした。またレベル79と70と78の上級悪魔も倒したことがあります」


 俺はみんなに安心してもらうために、過去の戦績を披露した。

 決して自慢するつもりや驚かせるつもりではないのだ。


『領都ピグシード』を白衣の男と共に襲撃してきた『剣の悪魔(上級)』は、レベル79だった。

 魔法銃で、瞬殺した奴だ。

 先日、白衣の男が潜伏していたが迷宮遺跡で倒した『爪の悪魔(上級)』は、レベルは70だった。

 その時自爆した『赤の悪魔(上級)』は、レベルは78だったのだ。


 みんなに説明するために、頭の中で整理したわけだが、改めて思い起こすと……上級悪魔を三体も倒していた。


 ただこれらは、いずれも悪魔特有のいやらしい攻撃をされる前に屠ってしまったから、それほど大変だという印象はなかった。

 最初の一体は、遠くから魔法銃で狙撃したから、相手は知らぬ間に死んでいたという感じだろうし、後の二体も俺が潜伏場所を急襲して奇襲攻撃をかけたから、状況的にも有利だった。


 もし上級悪魔が、用意周到に準備して襲ってくるというかたちになると、もうちょっと厄介だったかもしれない。

 そう考えると、今後も決して油断はできないのだ。


 俺の話を聞いていた皆さんは、口をポカンと開けて無言になっている。

 目が点になっている感じで……なんとなく顔に斜線が入っているような雰囲気だ。

「レベル80……」とか「上級悪魔を三体……」とか、何人かが呟いていたが……かなりの衝撃を受けているようだ。


「まぁ今のところは、上級悪魔相手でもグリムなら一捻りってことだから! 安心して! そう考えると、グリムの側が一番安心だと思うのよね」


 沈黙が支配している場の空気に耐えかねて、ニアが明るくそう言った。


「……失礼いたしました。おっしゃる通り……グリムさんの側が一番安全だと思います。リリイとチャッピーをよろしくお願いします」


 ローレルさんがそう言うと、他のみんなも一斉に俺に頭を下げた。


「わかりました。後は……本人たちに話して、どうするか決めてもらいます。皆さんが親族だということを、しっかり話しますから、これからは遠慮せずに二人をもっと可愛がってやってください」


「ありがとうございます」


「このご恩は一生忘れません」


「今までできなかった分、たっぷり愛情を注ぎます」


 サリイさん、アグネスさん、タマルさんが目に涙を浮かべながらそう言った。

 他の皆さんも、大きく頷いている。



 そして俺は『救国の英雄』と『大勇者』という『称号』と『職業』を得て、特別なスキルも持っているので、『絆』メンバーはいつでも俺のそばに、転移で呼び寄せることができるという説明もした。


 『救国の英雄』の『職業固有スキル』の『集いし力』を使えば、念話が通じる相手ならいつでも、呼び寄せることができるのだ。


 この力を使えば、万が一リリイとチャッピーが危ない時に、緊急避難的に呼び寄せることもできるし、この子たちを守る戦力が必要なときには、仲間を呼び寄せることもできる。


 そして必要があれば、ここにいるみんなも瞬時に呼び寄せられるという話もした。


 みんな何とか理解し、内容を飲み込んでくれたようだが……このスキルの説明をするために、前振りで話した『救国の英雄』と『大勇者』の話で、また目が点になっていた。


 『救国の英雄』という情報はオープンにしているが、『大勇者』については秘匿しているので、みんな衝撃を受けていた。


 普通なら、『勇者』は聞いたことがあるが、『大勇者』は聞いたことがないはずで、その点について質問が出るかと思ったが、『大勇者』が何かという質問すら出ないほど、みんな驚いていた。


 その点については、ニアが説明してくれていたけどね。


 『勇者』の上の存在みたいな説明をしていたから、もう聞いている人たちは、呆然としてただ頷くだけだった。


 さっきまでは、ここのみんなの告白によって、俺が頭の整理が追いつかないくらいの衝撃を受けていたが、今は俺の告白によって、みんながうまく整理できないほどの衝撃に包まれているようだ。





読んでいただき、誠にありがとうございます。


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次話の投稿は、23日の予定です。


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