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852.二人目の、後天的覚醒転生者。

 『怪盗イルジメ』さんは、底知れない人だ。


 思いもしない衝撃の展開の連続で……ここに集まっているみんなは、半ばぐったりしている。


 『怪盗イルジメ』さんは、おそらくみんなが予想していたよりもはるかに若く、二十九歳のグラマラスな金髪美人だった。


 そんな年齢と容姿で最初に驚かされ、次には育てた怪盗たちとともに協力を申し出てくれ、皆喜びに沸いた。


 王都の下町で、不遇の境遇の孤児を引き取って育てながら、小さな商会を経営しつつ、実は下町のゴロツキを牛耳る影のボスであるということにも驚かされた。

 そして、絶品なクレープでここにいるみんなの心を、鷲掴みにした。


 それだけで、みんな充分衝撃を受けていたのに……元『迷宮攻略者』ということがわかり、さらに驚かされた。


 その上、王家の血筋であることが伝えられ、さらにはそれが現王家の人たちがみんなファンだという四代前の国王の十二王女……『英雄王女』という二つ名を持つナナリシア王女の血筋だとわかり、衝撃の展開のトドメとなった。


 ツクゴロウ博士が、ナナリシア王女の追っかけだったというのは、おまけである。


 ツクゴロウ博士もやっと泣き止み、国王陛下やユーフェミア公爵たちも、気持ちを落ち着けたようだ。


 当のオカリナさんを含め……全員……放心状態のような感じになっている。


 俺は、『波動鑑定』で転移者か転生者であることを確認しようと思いつつも、今までの展開が凄すぎて、見るタイミングを逃していた。

 だが、衝撃の展開も終わったようなので……気持ちを切り替えて、『波動鑑定』させてもらおうと思う。


 個人情報なので、本来的には俺の自主規制に引っかかるが、そうも言ってられない。

 というか……クレープの件といい、彼女は転移者か転生者であることは、ほぼ間違いない。

 確認しないわけにはいかないのだ!


 申し訳ないが、勝手に鑑定させてもらう。


 早速『波動鑑定』をかけると……


 …………………………


 ……やはりステータス情報が偽装されているようだ……。


 転移者や転生者には、マストとして『ステータス偽装』のスキルが与えられるのだろうか……?

 まぁそれがないと、すぐに転移者か転生者であることがバレちゃう可能性が高いからね。

『鑑定』スキルを持つ者が少ないとは言え、何かのきっかけでスキルを持った者に見られたら、一発でわかってしまう。


 転移者か転生者であることがわかったら、おそらく……何かの厄介ごとに巻き込まれる可能性が高い。


 それを防ぐために、神様がスキルを与えてくれるのだろうか……?

 まぁ考えても、答えが出ることではないけどね。


 今までに、偽装されたステータスを見た時と同じように、普通に見えるステータスに一瞬ノイズが走り、本来のステータスが一時的に垣間見えるので、偽装されていることがわかったのだ。


 もう一度集中し、垣間見える本来のステータスに意識を集中する……


 ……やはり間違いない!


 彼女の『称号』には、『後天的覚醒転生者』とある!

 『魚使い』ジョージと同じだ。


 この世界で生まれ育って、どこかのタイミングで、前世の別の世界の記憶を取り戻したということだろう。


 ちなみに『称号』には他にも、『怪盗イルジメ』『義賊を束ねる者』『密告者』『捕縛者』『フィクサー』などがある。


 レベルは、52だ!

 かなり高い!

 騎士団長レベルだ。


 『通常スキル』も、かなり持っている。


 『変装』『隠密』『視力強化』『聴力強化』『瞬足』『教育』『調理』『ステータス偽装』『状態偽装』『模写』『剣術』『棒術』『弓術』『格闘』『投擲』『光魔法——陽光の充足』『光魔法——暖かな光』『光魔法——太陽光輪』『光魔法——極光の壁(オーロラウォール)』などだ。


 この中で俺が持っていないスキルは、『変装』『状態偽装』『模写』と『光魔法』各種だ。


 『変装』は、文字通り様々な人に、素早く変装できるスキルのようだ。

 多分だが……スキルレベル10とかなら、超高速で着替えられそうだから、変身ヒーローが変身するような感じで、変装できちゃうかもしれない。


 『状態偽装』は、特定の物の状態を偽装できるようだ。

 古びた状態を新品のように、新品を古びた状態に偽装できるらしい。

 スキルレベルが上がると、『高品質』や『低品質』といった品質状態も偽装できるようになるようだ。


 『模写』は、複製品を作る能力らしい。

 ただ……俺の『波動複写』のように、完全なコピー品を作るのではなく、模造品を作るれるという程度のスキルのようだ。

 スキルレベルが10になると、ほぼ対象物と同様のものが作れると説明されているが、逆に言うとスキルレベルが10になっても、俺の『波動複写』の完全コピーより劣るということだろう。

 『波動複写』の劣化版のような感じだ。

 そして普通の人には、スキルレベルを10にすることは事実上不可能といえるから、あくまで模造品を作るスキルという感じだと思う。

 贋作スキルと言ってもいいかもしれない。


 『状態偽装』と『模写』スキルは、悪用したらかなりやばいスキルだと思う。

 怪盗というか……盗賊っぽいスキルではあるけどね。


 『光魔法』は、四つ持っている。

 『光魔法』の使い手らしい。


 魔法スキルが発現する人自体がかなり珍しいが、その中でも『光魔法』はレアな魔法スキルなはずだ。

 それを持っているというだけで、どこにでも仕官できただろう……。

 そういう道を選ばずに、弱い人々を助ける義賊になったのは、すごいことだと思う。


 『光魔法——陽光の充足』は、『基本ステータス』の『スタミナ力』と『気力』の回復ができるようだ。

 『光魔法——暖かな光』は、『基本ステータス』の『身体力(HP)』と『魔力(MP)』の回復ができるようだ。

 『光魔法——太陽光輪』は、光の光輪を出して、攻撃するスキルのようだ。

 『光魔法——極光の壁(オーロラウォール)』は、光の……オーロラのような壁を出して、防御するスキルのようだ。


 『光魔法』だけで、回復と攻撃と防御ができるらしい。

 この充実度とバランス……かなりすごいと思う。




読んでいただき、誠にありがとうございます。

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次話の投稿は、21日の予定です。


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― 新着の感想 ―
[一言] > ツクゴロウ博士が、ナナリシア王女の追っかけだったというのは、おまけである。  現代世界に生まれていればオタ芸の一つも身につけていそう……オタ芸? はっ、彼とジョージ君を会わせてはいけない…
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