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787.石鹸と、化粧水。

 俺は、白衣の男と悪魔の件の報告の後に、『真祖吸血鬼 ヴァンパイヤオリジン』のカーミラさんと共に、家である『希望迷宮』に行ってきたことの報告もした。


 丁度、始祖であるドラキューレさんが目覚めていたことも報告し、今後、俺たちに協力してくれると言ってくれたことについても報告したのだ。


 ドラキューレさんは、元『癒しの勇者』で約三千年前に活躍した『勇者団』の一員であり、その当時の魔王と悪魔たちを倒した『九人の勇者』の一人なので、その協力を得られるという報告に、皆喜んでくれた。


 特に『ヴァンパイアハンター』のエレナさんやキャロラインさんは、ぜひドラキューレさんに会いたいと言っていた。


 いつでも遊びに来てくれて構わないと言われているので、今度連れて行くという話をしたら、二人は感動していた。


 そして、迷宮の魔物を訓練のため自由に使っていいという許可をもらったという話をしたら、ビャクライン公爵を始めとした脳筋な男たちは歓声をあげていた。

 まぁよく見たら、女性陣も歓声をあげていたけどね。

 みんなレベル上げをしたいようだ。


 俺は今後の訓練のために、秘密基地『竜羽基地』の野外にバトルステージを作って、そこで魔物と対戦し、レベル上げができるようにするという計画を伝えた。

 基地の中に訓練スペースは作ってあるが、そこで魔物を倒すと汚れてしまうので、野外に作ったほうがいいと思ったのだ。


 レベル上げに丁度いい魔物を『希望迷宮』から捕獲してきて、そこで戦うというわけである。

 『希望迷宮』にお邪魔してもいいのだが、カーミラさんたちの家でもあるので、頻繁に行くのは気を使わせるかと思っての俺の配慮である。


 魔物の捕獲には、『箱庭ファーム』を使えばいいから、俺だけお邪魔して、ささっと捕まえてすぐ帰ってくればいい。


 ちなみに、白衣の男が潜伏していた『ゴーレマー迷宮』の地下九階層までにいた魔物たちは、すべて『箱庭ファーム』に回収してきた。


 ただこの魔物たちは、ここにいるみんながレベル上げをするにはちょっと物足りないので、『マスカッツ』のメンバーなど、まだレベルがそんなに高くない人たちの相手として活用しようと思っている。



 そんな感じで俺の報告が終わり、お待ちかねの入浴タイムになった。


 当然、俺は男湯に入ったわけだが……ゲンナリだ。


 脳筋な筋肉自慢の男たちがたんまりいるからね……。

 場をなごませてくれると期待した子供たちは、先に入ってもらったからここにいるのは、国王陛下やビャクライン公爵やセイリュウ騎士たちなのだ。


 予想していたことではあるが、湯着は着ているものの上半身は脱いでむき出しだ。

 ……筋肉自慢をしている。

 まぁそうなるよね……。


 そして『舎弟ズ』たちの時のように、いい男たちが温泉に設置された滑り台でキャッキャ言いながらはしゃいでいます……何これ……トホホ。



 温泉から出て、みんな宴会場に集まったところで、王妃殿下に呼ばれた。


「この石鹸、香りが良くて素晴らしいわ。これも『フェアリー商会』で販売するのかしら?」


 温泉に新たにセットした石鹸を気に入ってくれたようで、わざわざ持ってきて俺に尋ねた。


 もともと開発していた石鹸は、固くするのに苦労したが、何とか完成させ既にリリースしていた。

 それゆえ、『コロシアム村』の俺の屋敷に泊まっている皆さんは、既に使っていて石鹸というものを知っているのだ。


 今回新たに作って投入した石鹸は、『バラ石鹸』と『ゆず石鹸』だ。

 バラのエキスを抽出した『バラ化粧水』とゆずの種子から抽出した『ゆず化粧水』を作り、それを石鹸に練り込んだのだ。

 それぞれ素晴らしい香りの逸品になっている。

 早速、目に止まったようだ。


「はい。新しく作ってみたのですが、気に入っていただけたようで嬉しいです。今後『フェアリー商会』で販売していこうと思っています」


「それはよかったですわ。『コロシアム村』のあなたの屋敷で使っていた石鹸を見た時から素晴らしいと思っていましたが、今回の二つはさらに素敵です。いい匂いが湯から出た後も続いて、とても気に入りました」


 王妃殿下は、自分の手を撫でながら目を輝かせている。


「実は、その石鹸を作る元となった化粧水があるのですが、皆さんにプレゼントとして用意してます。よければ使ってみてください。お肌がスベスベになると思います」


 俺はそう言って、用意していた化粧水を女性陣に配った。

 みんな歓声を上げて喜んでいる。


 早速、手に塗ってくれている。


「これはほんとに素晴らしいわね。これも私が王都の貴族たちに売ってあげるわ。この化粧水と石鹸をセットにして販売したらどうかしら?」


 王妃殿下が、そんな提案をてくれた。


「ありがとうございます。セットでの販売もいいかもしれませんね。値段を決めかねているんですが、いくらぐらいが妥当でしょうか?」


 俺はお礼を言いつつ、値段についても相談してみた。


「そうね……貴族限定で売るなら、高くしてもいいでしょうけど……後から一般の人にも広めるなら、手ごろな値段の方がいいわよね。それにどちらも消耗品だから、大事にしすぎないで気軽に使える値段の方が、数が出ていいかもしれないわね。化粧水は……二千ゴル、石鹸は……千ゴルってとこかしらね」


「そうですね。その価格で販売してみます。普通の石鹸は、三百ゴルで販売してますので、今回の二つは特別なものとして千ゴルでいいと思います。化粧水も二千ゴルなら一般の人でも、少し頑張れば買えそうですし」


 俺はそう答え、改めて王妃殿下にお礼を言った。

 そして販売についても、お願いした。


 改めて思ったが……石鹸、シャンプー、リンス、化粧水などを充実させたらいいかもしれない。



 宴会が始まった。


 今回の目玉は、なんといってもマグロだ!

 今日は、マグロづくしなのだ!


 そうは言っても、ほんとに喜んでいるのは俺と『魚使い』のジョージとハナシルリちゃんだけなのだが……まぁこれを機会に、他の皆さんにもマグロの素晴らしさを知ってもらおう!


 まずは、オリーブオイルで煮て作った『ツナ』を提供した。

 俺の納得のいく味で完成した醤油とともに提供し、まずは醤油で食べてもらった。


 次にマヨネーズとあえた『ツナマヨ』を提供した。


『ツナマヨ』の凄さを実感してもらうために、『ツナマヨおにぎり』と、『ツナマヨサンドイッチ』も作って一緒に提供したのだ。


 俺の仲間たちは、前に『シンニチン商会』のアンティック君から、ツナを追加でもらった時に『ツナマヨ』だけは味見していたが、『ツナマヨおにぎり』や『ツナマヨサンドイッチ』は初めてだ。

 貴族の皆さんは、『ツナマヨ』自体をはじめて食べる。


「これは美味い! 癖になるねえ……」


「ほんとです。単体でも美味しいのに、ご飯の中に入れたり、パンに挟むとこれほど美味しくなるとは……。ほんとに、グリムさんはなぜこんなものを思いつくのかしら……?」


 国王陛下と王妃殿下は、そう言って感動してくれた。


 他の皆さんも喜んでくれて、絶賛する声が俺に押し寄せてきた。


 ちなみに……フードファイター……『ドワーフ』のミネちゃんは……「ツナマヨ卿は、人たらしなのです。ご飯氏やパンさんとすぐ仲良くなっちゃっているのです。もしかしたら、友達百人いるかもしれないのです。侮れないのです。でも誰と組んでも、ミネは絶対に負けないのです! 食べ尽くすのです! 絶対に負けられない戦いがここにあるのです!」と相変わらずわけのわからない気合が入っていた。


 全員からかなりの高評価で、非常に嬉しい!

 そして、ここまでは予定通りだ!

『ツナマヨ』を嫌いだという人は、あまりいないと思っていたからね。


 問題は、これから登場する真打……『握り寿司』なんだよねぇ……生魚にどう反応するか少し不安だが……。

 でも俺個人としては、楽しみでしかない!




読んでいただき、誠にありがとうございます。

ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

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次話の投稿は、15日の予定です。


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― 新着の感想 ―
[一言] > 問題は、これから登場する真打……『握り寿司』なんだよねぇ……生魚にどう反応するか少し不安だが……。  界外の初心者向けにカリフォルニアロールから入らないとダメなのかな? エビフライロール…
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