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776.勇者武具探しは、迷宮か遺跡でどうぞ。

 この『希望迷宮』は、今後俺の仲間たちでレベル上げの場所として活用させてもらおうと思っている。

 すでに『ミノタウロスの小迷宮』というレベル上げ用の迷宮はあるのだが、ほとんどのメンバーは一度は行っているので、気分転換に新しい迷宮もいいだろう。


 とは言いつつも、最初に使うのは、まだ『ミノタウロスの小迷宮』にも行ったことがない『チーム付喪神』のみんなだけどね。


 本当は、『神獣の巫女』や『セイリュウ騎士団』のみなさんにも、レベル上げのために使わせてあげた方がいいんだろうが、俺の『絆』メンバーではないので、情報統制がしにくい。

 この迷宮の情報が広がると、それだけヒナさん達が危険になるので、当面はやめておこうと思っている。

 ただ、この迷宮は階層毎に大体魔物のレベルが決まっているので、その魔物を捕まえさせてもらう許可をもらった。


『神獣の巫女』たちや『セイリュウ騎士団』が、実戦訓練をするときに対戦する魔物として活用させてもらうためだ。


 今までは、秘密基地『竜羽基地』の近くの魔物の領域に、魔物狩りに行ったりしてレベルを上げていた。

 今後もそうする予定だったが、この迷宮なら対戦相手として必要なレベル帯の魔物を効率よく確保できる。

『箱庭ファーム』や『プリズンキューブ』などの魔法道具を使って確保して、『竜羽基地』に連れて帰って、戦闘するのが一番効率がいいだろう。


『マシマグナ第四帝国』の人造迷宮で生産される魔物は、クローン技術を使ったコピー生産なので、通常の魔物と完全に同一ではない。

 迷宮の中で活動している分には問題ないが、魔素の供給が十分ではない迷宮外に出ると、ある程度の時間で活動ができなくなる可能性がある。

 だが、捕まえてすぐに対戦すれば、全く問題ないだろう。


 ちなみに魔物の素材や肉や『魔芯核』は、問題なく使えるようだ。

『魔芯核』だけ、本来のものに比べると、若干質が劣ってしまうようだが、特に問題になるほどの劣化ではないとのことだ。

 まるで養殖魔物みたいなイメージだよね。



 それから、俺は約三千年前の『マシマグナ第四帝国』末期に活躍した『勇者団』の九人の勇者たちが持っていた『勇者武具シリーズ』についても確認した。


 娘のカーミラさんが言っていた通り、ヒナさんが使っていた『癒しの勇者』の勇者武具と夫である『斬撃の勇者』ケントさんが使っていた勇者武具は、ヒナさんが保管しているとの事だった。


『癒しの勇者』の勇者武具は、『魔扇 ヒーリングファン』というものらしい。


『斬撃の勇者』の勇者武具は、『魔剣 三剣分竜(さんけんぶんりゅう)』というらしい。


 他の勇者武具について、情報を持っていないか確認したが、わからないとのことだった。


 ただ、見つかる可能性が高いのは、やはり『マシマグナ第四帝国』の遺跡もしくは人造迷宮だろうと言っていた。


 ヒナさんもそうだし、フミナさんもそうだが、現役の勇者だった頃から、人造迷宮の位置情報は、当時公開されていたもの以外は知らされていなかったらしい。

 その当時オープンになっていたのは、本格稼働迷宮の第一号迷宮である『希望迷宮』と、本格稼働迷宮の第二世代型の二号迷宮と三号迷宮だけだったそうだ。

 第二世代型の二号迷宮は、現在の『アルテミナ公国』の場所にあり、三号迷宮は『アポロニア公国』の場所にあるとのことだ。

 第二世代型の迷宮というのは、綺麗な階層構造の迷宮ではなく、自然の迷宮により近いアリの巣形状になっている迷宮なのだそうだ。

 他にも違いやバージョンアップされている点があるようだが、ヒナさんは詳しくは知らないとのことだ。


 急ぐ必要はないが、一度、訪れてみるべきだろう。


 これ以外の本格稼働迷宮が全部でいくつあるのかと、場所がどこなのかという情報を入手することは、おそらく困難だろうとのことだ。

 もしかしたら、本格稼働迷宮がその三つだけという可能性もあるとヒナさんは考えているそうだ。

 三つしか作っていなかったというのは、普通はありえないことだが、その当時公開されていたのは三つだけなので、他は何かの事情があって稼働していなかったのではないかと考えることもできると言っていた。


 迷宮以外の遺跡と思われる場所の心当たりがないかも、ヒナさんに尋ねてみたが、新たな遺跡についてはわからないらしい。

 いくつか遺跡があったが、全て盗掘や発掘されているので、何も残っていないだろうとのことだ。


 ただ『正義の爪痕』の首領のアジトだった場所も、元々『マシマグナ第四帝国』の遺跡で、奥に隠された部分があった。

 そんな実例もあるので、再度調査してみる価値はあるのではないかと提案した。


 ヒナさんも賛同してくれて、古い資料を探してみると言ってくれた。



 今後のことを尋ねてみたら、ヒナさんは、既に生まれてきているはずの旦那さん……ケントさんの転生体を探すとのことだった。

 カーミラさんも、同行するとのことだ。

 ヒナさんは、カーミラさんに俺に同行するように勧めたのだが、早くお父さんを見つけたいということでヒナさんとの同行を決めていた。

 お父さんを見つけ次第、俺たちに合流したいと言っていたので、了承しておいた。

 俺としては無理に、俺たちに同行する必要はないと思っているのだが、ヒナさんからもお願いされたので、了承した。


 念話を使って、お互いにマメに連絡を取り合おうということになった。


 俺は、すぐに合流できるように、転移の魔法道具を貸し出すという話をした。


 ヒナさんは自分の転移の魔法道具を持っているので、貸し出しは不要ということだったが、カーミラさんは持っていないとのことだったので、貸し出してあげた。



 一通りの話が終わったので、俺とニアは一旦引き上げさせてもらうことにした。


 『魔盾 千手盾』の付喪神フミナさんと『ホムンクルス』のニコちゃん、『闇の石杖』の付喪神闇さん、クワの付喪神クワちゃんの四人は、もう少し残ることになった。

 早速この迷宮を使って、レベル上げをしようということになったのだ。


 まずは、レベル1の闇さんとレベル20のニコちゃんのレベル上げを行う予定だ。

 レベル33のフミナさんとレベル52のクワちゃんは、監督兼トレーナーという感じだろう。


 レベル20くらいまでは、パワーレベリングしても問題ないと思うので、一旦闇さんのレベルを20くらいまで上げて、そこからじっくり鍛えて行けばいいだろう。



 最後に改めて、ヒナさんからお礼を言われた。

 『正義の爪痕』の首領のアジトに捕まっていたカーミラさんを救出したことについてだ。

 そしてフミナさんが付喪神化したことや、ニコちゃんを救い出したことも感謝された。

 付喪神化は、俺の力というより精霊たちの力が大きいと思うんだけどね。


 今後、できる限りの協力をすると改めて申し出てくれた。


 非常に強力な味方を得て、オレも嬉しい。





読んでいただき、誠にありがとうございます。

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次話の投稿は、4日の予定です。


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― 新着の感想 ―
[一言] > まるで養殖魔物みたいなイメージだよね。  天然物より養殖物の方が優れている例もあるんだけどねー、真珠とか鰻とか。  鰻は養殖のが美味いというか安定して美味い(外れが出ない)というのが正解…
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