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650.戦利品、丸ごとゲット。

 ユーフェミア公爵との打ち合わせは、まだ続いている。


 俺は、押収した危険な魔法道具については、できれば報償としてもらいたいという話をした。


 俺が、自分から報償がほしいと言うのは、初めてかもしれない。

 だがこの危険な魔法道具だけは、どうしても自分で押さえておきたかったのだ。


 今回『正義の爪痕』が使ってきた魔法道具は、どれも危険なものだ。

 特に『プリズンキューブ』は、俺の仲間たちでも捕まえられてしまう可能性がある。

 現にニアが捕まってしまったからね。

 そんな魔法道具は、自分で確保しておかないと、心穏やかでいられないのだ。

 ユーフェミア公爵やこの国を信じてないわけではないが、仲間が危険になる可能性を可能な限り潰しておきたいという素直な心情も吐露した。


 ユーフェミア公爵は、そんな俺の心情を汲んでくれてか、あっさりと俺に与えると言ってくれた。


 ユーフェミア公爵も、俺が所持するのが一番安全だと言ってくれたのだ。

 そして報償として貰う権利は、十分にあるとも言ってくれた。


 ということで、今回押収した危険な魔法道具は、全て手に入れることができた。


『隠密のローブ』……姿と気配が消せて、波動情報まで誤魔化せる『究極級(アルティメット)』階級の逸品だ。


 俺の持っている『隠れ蓑のローブ』の上位互換のような魔法道具だ。

『隠れ蓑のローブ』は、『極上級(プライム)』階級で、姿と気配は消せるが波動情報までは誤魔化すことができないのだ。


『隠密のローブ』は、拘束した構成員から奪ったものが二十二個ある。


 この魔法道具は、有効に使えばかなり役立つ。

 俺の仲間たちはもちろんだが……元怪盗と敏腕デカの特捜コンビ……ルセーヌさんとゼニータさんに使ってもらえば、犯罪捜査や情報収集でかなり威力を発揮するだろう。


 この魔法道具を役立ててくれそうな人たちに、後でプレゼントすることを考えよう。

 信用できる人たちになら危険な魔法道具を渡しても、しっかり管理して役立ててくれることだろう。



『遠話のブローチ』…… 親機一台と子機二十台のセットになっている『究極級(アルティメット)』階級の魔法道具だ。

 相互に会話ができるという通信の魔法道具だ。

 親機は、確保した『魔物の博士』が所持していた。


 通信機能付きの転移の魔法道具『転移の羅針盤 百式 お友達カスタム』を持っている俺たちにとっては、特に必要のない魔法道具だ。


 ただこの魔法道具は、危険性は少ないので、今回の武術大会みたいなイベントのときに、主要なスタッフの間で情報をやり取りするのに便利だと思う。

 トランシーバーのように使えるからね。


 今後イベントなどで活用するという手はありそうだ。



『箱庭ファーム タイプセパレート』……一時的に生活可能な亜空間を作り、そこに繋げるトランク型の魔法道具で、俺の持っている『箱庭ファーム』と同じ『究極級(アルティメット)』階級だ。

 このタイプセパレートは、中の亜空間を二つから六つに分割して使うことができるようで、俺が持っているものの上位機種といえるだろう。

 合計で十個押収している。


 この魔法道具を悪い奴に悪用されると、今回のように、突然大量の魔物を送り込んだり、兵士を送り込むという奇襲攻撃をされてしまう。


 そんな戦法を取られたら、普通は太刀打ちできない。

 魔物の侵入を防ぐための外壁も、何の意味も持たなくなるからね。


 この魔法道具は危険極まりないので、俺がしっかり管理しようと思う。


 敵に使われると非常に厄介なのだが、自分が使う場合は、それほど良い使い道は思い浮かばない。


 やはり前に考えた通りに、急遽大勢の人たちを避難させる必要が発生したときに使うという手はあるかもしれないけどね。

 また、どこかに奇襲を仕掛けるときに使うという手も、もちろんあるが。



『プリズンキューブ』…… ターゲットとして選定した対象を、亜空間に引き込んで閉じ込めるもので、『究極級(アルティメット)』階級の魔法道具だ。

 手のひらサイズの四角いキューブで、六体収容できるようだ。

 サイコロと同じように、1から6まで数字が入っている。

 この魔法道具も、合計で十個押収している。


 この魔法道具が、一番恐ろしい……。

 ターゲットとしてロックオンされたら、亜空間に引きずり込まれちゃうからね。


 基本的には、死蔵する予定だが、有効活用する方法はいくつかありそうだ。

 訓練用の魔物を捕まえたり、悪い奴を捕まえたりするのには役立ちそうだ。



 俺が一旦押収している、『正義の爪痕』の首領が乗っていた通称“メカヒュドラ”や、釣鐘型の変形ロボ通称“べつじん28号”については、まず俺の方で調査をすることになった。

 その後、必要があれば王立研究所の上級研究員であるドロシーちゃんにも見てもらうということになった。


 ドロシーちゃんは、第一優先事項として『魔物人(まものびと)』の魔物化のメカニズムや異物混入ワインについての調査をすることになっている。

 しばらくはそれにかかりきりになるので、あの巨大物体については俺が調査をすることになったのだ。


 そして、何故かこれらの巨大物体まで、俺の報償として与えられることになってしまった。


 俺としては、あくまで危険な『プリズンキューブ』等を欲しいと言ったつもりだったのだが、ユーフェミア公爵の中では、巨大物体まで入っていたようだ。

 これらは『操縦型人工ゴーレム』となっているので、巨大なだけで魔法道具と言えなくもないが……。

 俺としては、そこまで要求したつもりはなかったのだ。


 まぁ危険な兵器であることに変わりはないから、危険な魔法道具を俺が直接管理したいという俺の要望からすれば……該当するべきものではあるかもしれないけどね。


 あの移動型ダンジョンも、ダンジョンマスターになったことで、事実上俺のものになっている。

 なんか……冷静に考えると、今回の戦いでの貴重な戦利品は、全て俺のものになってしまっている気がするが……いいんだろうか……。


 メカヒュドラやべつじん28号は、戦力としては俺の仲間たちには及ばないと思うが……何か便利な使い方ができるかもしれない。

 また、中には未発見の魔法道具や研究資料等もあるかもしれない。

 何よりも失われた古代文明の遺産だから、詳しく調べれば、いろいろ得るものがあるのではないだろうか。

 調査するのが、今から楽しみになってきた。





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次話の投稿は、31日の予定です。


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