表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

478/1442

469.宴会芸、パート。

 みんな思う存分食べて、話も弾んだところで、次は宴会芸パートに突入した!


 まず最初に大宴会場のステージに登場してくれたのは、『ミミックデラックス』のシチミの仲間のイチミ、ニーミ、サンミ、ヨンミ、ゴーミ、ロクミの六体の『ミミックデラックス』たちのよる温泉アイドルユニット『339(ミミック)』だ。


 もちろん、『種族固有スキル』の『マルチ擬態』で、十代後半くらいの美少女に擬態しているのだ。

 みんな、めちゃめちゃ可愛い美少女で、『虫使い』のロネちゃん、『蛇使い』のギュリちゃん、『石使い』のカーラちゃん、『土使い』のエリンさん、『植物使い』のデイジーちゃん、『アメージングシルキー』のサーヤをモデルにしているらしく、俺にはその面影が強く感じられるのだが、本人たちの反応を見る限り、自分がモデルになっているとは気づいていないようだ。


 今までも中居さんとして料理を運んでくれていたのだが、宴会芸パートに突入し、衣装をアイドル衣装にチェンジして登場してくれた。

 衣装は、中居さんの落ち着いた着物から打って変わって、色とりどりの綺麗可愛いステージ衣装だ。

 ただ温泉アイドルユニットらしく、着物を現代風にアレンジしたようなデザインになっている。

 これもプロデューサーである『ライジングカープ』のキンちゃんのデザインらしい。

 やはり『固有スキル』の『ランダムチャンネル』で得た情報なのだろう。

 なんとなく、見たことがあるようなデザインだ。

 でもすごくいいと思う。


 驚いたことに二曲も楽曲ができていた。

 現時点では楽器の演奏がなくアカペラ状態ではあるが、それでも十分に盛り上がるのだ。

『会いに来てよ!』と『恋する温泉饅頭』という二曲だが……なんとなく聴いたことがある感じなんですけど……。

 まぁ異世界だから……著作権とかパクリ疑惑とかは、大丈夫だと思うが……。

 とにかく、可愛いし盛り上がるからいいけどね。

 それにしても……『恋する温泉饅頭』って……温泉饅頭自体まだ開発できてないのに……。

 というか、温泉饅頭いいなぁ!

 お土産としてもいいし!

 これはすぐに開発に取り掛からねば!

 温泉旅館には必須装備だったのに……全然抜かりがあったようだ。

 そう考えると、まだいろいろネタがあるかもしれない……。

 温泉を利用した半熟卵も作ってないしなぁ……宴会メニューにも入れれたのに……残念。

 まぁあとで、もう一度ゆっくり整理して考えてみよう。


 『会いに来てよ!』はノリのいい楽曲で、『恋する温泉饅頭』は少しゆったりとした曲調で、一緒に歌いやすいし踊りやすい曲だった。


 そして曲調や歌詞の斬新さ、振り付けの可愛いさが大受けで、宴会場のボルテージは一気に上がった。

 みんな大喜びで、二曲しかない楽曲がアンコールの連続でリピート状態となっていた。

 四セット繰り返されたのだ。

 最後の方には、子供たちはみんなステージに上がって、一緒に歌いながら踊っていてすごく楽しそうだった。


 ちなみに、『魚使い』ジョージは、前世でアイドルも大好きだったらしく大喜びしていた。


 途中からハイテンションが抑えられなくなったようで、 一人でヲタ芸のようなものを披露していて、周りの女性陣から一斉にジト目を浴びせかけられていた……残念!


 ジョージには寿司職人の衣装だけでなく、ハッピにハチマキ、そして“光るなにか”を作ってあげようと思う。がんばれジョージ!



 続いては、リリイ、チャッピー、ピグシード家のソフィアちゃん、タリアちゃん、ゲンバイン公爵家長女で王立研究所の上級研究員のドロシーちゃん、『ドワーフ』の天才少女ミネちゃん、『虫使い』のロネちゃん、『蛇使い』のギュリちゃん、『石使い』のカーラちゃん、『植物使い』のデイジーちゃん、という子供女子ユニットで、『護身柔術体操』が披露された。

 みんなで歌いながら『護身柔術体操』を披露してくれて、とても可愛いかったのだ。

 むさ苦しい男集団の『舎弟ズ』が披露するのと違って、全然可愛い!


 次に、なぜかヘルシング伯爵家の領主となったエレナさんと、その親友で執政官となったキャロラインさんが、空手を披露した。


 キャロラインさんが木製の板を構えて、エレナさんが『正拳突き』でかち割っていた。

 そして次に披露したのは、人差指一本で板を割らずに穴を開けるというすご技だった!

 まるで俺の知っている『電動ドリル』のようだった。

『電動ドリル』を使ったときのように、見事に綺麗な穴が一瞬で開いたのだ。

 決してエレナさんの指が電動ドリルのように回転したわけでは無いのだが……。

 なんとなくだが……人差指の周りを魔力や気のようなものでコーティングしているような雰囲気だ。

 詳しくはわからないので、今度訊いてみよう。

 この人差指の突きによる穴あけの連続で、なぜか綺麗なハートマークを作っていた。

 そして何故か……俺の方に視線がきているのだが……なんとなくロックオンするような視線で怖いんですけど……。

 てか空手技で、乙女チックなことをしなくてもいいと思うのだが……。

 やっている事と出来上がった物が、全くマッチしてない……残念!


 今度は『虫使い』のロネちゃんが登場し、レアなダンゴムシ型虫馬『ギガボール』のだん吉がトランクケースのような大きさの綺麗な箱を四つ運んできた。

 それの蓋をロネちゃんが開けると、なにやらスキルを使ったようだ。


  四つの箱の中には、ステージのようなものが作ってあって、なんと、いろんな虫たちがオーケストラのように並んでいる。

 そして、虫による演奏が始まった!


 これはすごい!

 鈴虫、マツムシ、コオロギ、キリギリス、クツワムシ、ウマオイ、カヤキリなど様々な虫がいるようだ。

 違う虫が、適度なタイミングで交互に鳴くことによって、本当に演奏のようになっている!

 これは本当に凄い能力だ!

 虫によるオーケストラだね!

『虫使い』スキルを、こんな楽しいことに使うなんて……ロネちゃんすごい!

  ただ残念なのは、虫を操る能力が凄すぎて……一般の人の前では、とても披露できそうにないことだ……。


 ちなみに、綺麗な箱は、工作好きな父親のトルコーネさんが作った力作のようだ。

 これからは、仲間内だけでもこの『虫オーケストラ』を堪能させてもらおう!


 そんな感じで、大盛り上がりした楽しい宴会は幕を閉じた。


 初めて顔合わせる人も、打ち解けることができて、凄く仲良くなっていた。

 一番意外だったのは……『魚使い』ジョージの使い魔(ファミリア)で陸ダコの霊獣『スピリット・グラウンドオクトパス』のオクティが、みんなの人気者になっていたことだ。

 左目に黒い眼帯をした話すピンクの陸ダコというインパクトもあるが、その中二病チックな言動で作り出す独特の雰囲気が、わりとみんな面白かったようだ。

 まぁ酔っ払っていたから……何でもありだったのかもしれないが……。

 そして、何をかっこいいと思ったのか……ピグシード家の次女のタリアちゃんが、タオルで左目を隠し眼帯のようにしていた……。

 無意味な眼帯と中二病チックな言動が、子供たちの間で流行らないことを祈るのみだ……。

 オクティ……自重してくれよ……言っても無駄か……トホホ。


 アンナ辺境伯と爵位を継いだエレナさんも女領主同士、仲良くなることができたようだ。

 ユーフェミア公爵を交え、正式に女領主連合が誕生していた。

 お互い今後も助け合いながらやっていこうということで、硬く結束していた感じだ。


 そんな様子を見ながら改めて思ったが、女性の割合が多く、しかも凄い女性と子どもたちばかりで、男の影が必然的に薄くなってしまうんだよね。

 まぁいいけどね……。

 そしてトルコーネさんは、相変わらず上級貴族の皆さんを前にして、汗だくになっていて少し笑えてしまった。

 たださすがに今回は、宴会ということもあり、途中からは慣れて汗も引いていた。

 特に、『土使い』エリンさんの父親のハンクさんと『おじさん同盟』を組んで一緒に飲みだしてからは、いつものトルコーネさんに戻っていたようだ。

 この二人は、大森林での特訓で何度も会っているので、既に仲は良くなっていたんだけどね。

 この凄い女性たちの中で、おじさんが肩身が狭いというのは、心がおじさんの俺にもよくわかる。

 まぁ今回は、しっかり楽しめたようでよかったけどね。




読んでいただき、誠にありがとうございます。

ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

評価していただいた方、ありがとうございます。


次話の投稿は、3日の予定です。


もしよろしければ、下の評価欄から評価をお願いします。励みになります。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  ふと思った、339って九九みたいだよね(3×3=9) > そして“光るなにか”を作ってあげようと思う。  ベテランの人はペンライトとサイリウムをTPOによって使い分けるらしい? > そ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ