1429.新なる眷属、ホーリー・アンデッドワイバーン。
俺は、ちょうどいい機会なので『闇影の義人団』をまとめる統一組織を作ることにした。
すでにいくつかの都市では、『闇影の義人団』として活動している人たちがいるから、国をまたいだ統一組織として体制を整えるにはちょうど良いタイミングだ。
そしてその組織の長には、元祖の『闇影の義人団』のリーダーであるスカイさんについてもらうことにする。
ただ、彼女はまだ俺の『絆』メンバーになっていない。
だが『フェアリー商会』の幹部でもあるのし、商会とも連携して情報をまとめたり、上手く活動してくれると思う。
それから、こういう陰ながらの活動や取りまとめに抜群の適性がある『アラクネーロード』のケニーにも、一緒に担当してもらう。
これによってケニーの指揮する諜報部隊との連携も図れるし、影のリーダーとしてスカイさんをフォローしてくれるだろう。
名もなきヒーローたちの統一組織の名は、『闇影の軍団』にした。
かっこよくていいんじゃないだろうか。
俺的には、大好きだった時代劇の忍者が活躍する軍団の名前に似ていて、最高に心躍るのだ!
ちょっと厨二テイストが入っているけど、俺的には最高にいい感じだ!
それはともかく、今後の大枠の話が終わったところで、俺は近くにいる何人かと雑談的に話をした。
そんな中で、一つ貴重な情報を聞くことができた。
その人は、自分が殺された時の状況を覚えていて、その時に一緒に殺されたはずの人がこの中にいないとの事だった。
そして、同じような証言をする人が他にも何人もいた。
そして、『バディード村』の村長だったターガーさんにも村人の確認をしてもらったところ、全員いるわけではないと報告してくれた。
これらの話を総合すると、ゾンビ状態にされた人はまだいると考えたほうがいい。
宰相は、いや悪魔は……ゾンビ化した戦力を全て出してきたわけではなかったようだ。
実戦運用テストみたいな感じで出してきただけだったのかもしれない。
ターガーさんたちには、今後もし出てきたら自分たちのように助けてほしいとお願いされた。
もちろん俺は助けるつもりだ。
そして、今回まだゾンビ兵がいる可能性がわかったのは大きい。
事前の準備がしておけるからね。
ゾンビになっていた人たち、まぁ新しく俺の眷属になった人たちだが、その人たちへの対応は、一旦は終了で良いだろう。
後は、引き続きサーヤたちに任せる。
ゾンビと言えば、俺にはもう一つやることがあった。
それは捕獲したゾンビワイバーンの処置である。
まぁ捕獲したのは、ナビーとビャクライン公爵が操縦するメカワイバーンだけどね。
俺は、街のはずれのほうに移動した。
ゾンビワイバーンを入れた『箱庭ファーム』を受け取っているので、そこから一体ずつ出すことにした。
出せば普通に暴れだすわけだが、その前に口に俺の血を無理矢理放り込む。
ガタイがでかいだけに、血液瓶十本分をまとめて飲ませる。
すると、やはりゾンビワイバーンは苦しんだ後、体中から黒い靄を出して繭状になった。
それが弾け、新たに姿を現したのは……真っ白なワイバーンだった!
今まではグレーをベースにしたかなりくすんだ色だったけど、きれいな純白になっている。
『波動鑑定』をかけると『種族』が……『聖魔不死竜』となっていた。
もともとは『悪魔死竜』となっていたので、完全に新種族になっている。
もちろん俺の眷属にもなっている。
そしてお約束……このタイミングで天声が響いた。
————新しい種族『聖魔不死竜』が創造されました。
『聖魔不死竜の主』になりますか?
……どうせまた俺の返答を聞かないまま新種族の主になっちゃうんでしょ?
———— 『聖魔不死竜の主』になりました。
『聖魔不死竜』 族の基本情報が確認できるようになりました。
今後一定の範囲内で、『聖魔不死竜』族に権能を与えることができるようになります。
……やっぱね。
もう慣れたよ。
まぁそれはいいとして……ある程度詳しい説明が見れるようになった。
それによれば……
『『悪魔死竜』が変性して発生した新しい種族。
悪魔因子が浄化され、聖なる属性になった種族。系統としては聖獣に近い。
『悪魔死竜』の特徴である『魔芯核』が維持され、そのエネルギーで心臓も稼働状態になっている。
これにより聖なる属性の種族であるにもかかわらず、魔属性も持っている。
その影響で、高い魔力と強靭な肉体を獲得している。
特殊な条件を満たさない限り消滅しない不死の存在となっている。
極めて特殊なアンデッドで、通常の食事以外でも、太陽光を全身に浴びることで、活動エネルギーが補給される』
なるほど……。
『聖魔不死人』の種族説明とほぼ同じ感じだね。
『聖魔不死人』のワイバーン版と言うことだろう。
まぁとは言っても元がワイバーンだけに、その戦闘力は桁違いな気がするけどね。
狙い通りとは言え、めっちゃ強力な仲間ができてしまった。
と言うか……すでに仲間になっている『ヒュドラ』とかと同じように、周辺被害が大きすぎて、ほとんど実戦投入できない気もするが……。
まぁいいけどさ。
読んでいただき、誠にありがとうございます。
ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。
評価していただいた方、ありがとうございます。
誤字報告も、助かっています。ペコリ。
次話の投稿は、明日か明後日の予定です。
もしよろしければ、下の評価欄から『評価』をお願いします。励みになります。★★★★★
『ブックマーク』と『いいね』も、お願いします。
何卒、よろしくお願いします。




