1428.新しい眷属のみなさんは、自治区の住民だったり、商会スタッフだったり、諜報員だったり、何もなきヒーローだったり……。
トワイライトさんは、悩んだ末に公王に即位することを決意してくれた。
これにより公国奪還後の筋書きができたわけである。
それはいいのだが、即位しても『フェアリー商会』で働いて、俺の家族として過ごすと宣言していた。
“俺の家族として過ごす“と言う時の目つきが、めっちゃ熱かった。
ちょっとビビってしまったよ。
まぁやる気になってくれているからいいんだけどさ。
即位後も、本当に『フェアリー商会』での吟遊詩人活動を続けたり、商会の幹部としての役割も果たすつもりでいるようだ。
まさか吟遊詩人として弾き語りをしている人が、公王だなんて思わないよね。
そんな不思議な光景が、近々実現しそうだ。
まぁそのためには、何が何でも悪魔の手からこの国を奪還しないといけないけどね。
絶対に負けられない戦いが、そこにあるのだ!
チャッピーのおじいさんであるターガーさんは、亜人を中心とした独立自治区を作る構想に賛同してくれた。
そして、みんなをまとめてくれると約束してくれた。
と言うことなので、俺はチャッピーの家族四人を転移で『ホクネの街』に連れて行った。
チャッピーとはしばしお別れだが、またすぐに会えるから大丈夫だと言ってくれていた。
『ホクネの街』では、みんな落ち着いていた。
サーヤが上手く話をして、まとめてくれたようだ。
特に混乱はなく、今は個別の面談をしている最中だった。
家の付喪神のナーナ、兎亜人のミルキーたち四姉弟も手伝ってくれている。
俺はそんな中一旦注目してもらい、先程族長さんに話した今後の構想を伝えた。
『アルテミナ公国』に、亜人を中心とした独立自治区を作るというものである。
国を奪還した後王座に就く予定のトワイライト公女も認めているという話もした。
国に帰りたくて今後平和に暮らしたい人は、強制ではないが是非参加してほしいとも伝えた。
すると、皆歓声を上げて喜んでくれた。
思ったよりも受け入れてくれたようだ。
やはり全く知らない土地である『コウリュウド王国』で暮らすよりも、故郷の方がいいんだよね、きっと。
そんな感触を得つつ、さらに説明を続ける。
そこでの生活については、『フェアリー商会』で支援するという話もした。
今はまだ『アルテミナ公国』には進出していないわけだが、悪魔から取り戻した後なら『フェアリー商会』を進出させても良いだろうと思っている。
とりあえず独立自治区だけに出店してもいいしね。
だから希望者は、雇用してあげることができると話したのである。
ただ、これから作る独立自治区の中核になるこの三百九十九人が全員『フェアリー商会』で働きたいと希望したら、ちょっと工夫が必要かもしれないけどね。
何せ住人のほとんどが商会スタッフになるんだからね。
そうなるともう独立自治区自体が『フェアリー商会』の拠点みたいな感じになっちゃうけど、それはそれで状況に応じて工夫すればいいだろう。
区の中だけで経済を回すわけではないし、特色のある物を生産して他の市町に販売してもいい。
まぁそれこそ『フェアリー商会』の販売網を使えば、どうとでもなるんだよね。
それから、公国内の他の市町に家族がいる人はもちろん家族のもとに戻ってくれて構わないし、これを機会に『コウリュウド王国』で暮らしてみたいと希望する人については応援するので、自由に考えてくれて良いという話もした。
ただ、どこに住んでも俺の眷属であり『絆』メンバーであることは変わりないので、できればその場所の人たちを守るような活動を影ながらやってほしいという話もした。
ここで俺は、『闇影の義人団』の話をした。
名もなきヒーローとなって影から住民を守る、そんな存在になってほしい。
そのために、この『共有スキル』の力を使ってほしいという話をしたのである。
すると、もともと住んでいた市町に帰りたいと思っていたような人たちは、目を輝かせて頷いていた。
そういう人には後で個別に話とレクチャーをして、名もなきヒーローとして頑張ってもらおうと思っている。
以前新しい種族として俺の眷属となった『聖血鬼』たちは、ほとんど『フェアリー商会』に入っていて、行商を兼ねた情報収集など特別な活動してもらっている。
『アラクネーロード』のケニー直属の諜報部隊として、広範囲に活躍してくれているのだ。
今回新たに眷属となった『聖魔不死人』の人たちは、『アルテミナ公国』で独立自治区を作るので、ケニーの諜報部隊に入れることはしない。
ただ、実際には定期的に連絡を取り合うつもりなので、影の諜報部隊みたいな感じにはなると思う。
もっとも、ほとんどの人が独立自治区内で暮らすとなると、俺の眷属の都市みたいな感じになっちゃうから、諜報活動も何もないんだけどね。
まぁそれでも公国内の情勢を探ってもらうことはできるよね。
トワイライトさんが公王として即位したとしても、すべてに目が行き届くわけではないからね。
現場の情報収集という意味で、国内を旅してもらったり、行商してもらったりして情報を集めてもらえば、大いに役立ってくれると思う。
独立自治区で暮らさずに、住んでいた市町に戻る人たちには、本当にそこで陰ながら人々を守ってもらう活動してもらえば、俺も安心だ。
『闇影の義人団』が、国をまたいだ大規模な組織になりそうだ。
いや、むしろ積極的にそんな感じにしてしまった方がいいかもしれない。
そこで俺は、『闇影の義人団』を統括する組織を作ることにした。
リーダーは、元祖『闇影の義人団』のリーダーであるヘルシング伯爵領『サングの街』のスカイさんだ。
彼女は、『フェアリー商会』の幹部でもある。
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