表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1436/1442

1427.亜人の独立自治区を、作ろう。

 悪魔の支配から脱却させるために止むを得ず俺の血を飲ませ、新しい種族『聖魔不死人(ホーリー・アンデッド)』へと変性させた人々の今後については、複雑な状況だ。


 故郷に帰りたいがもうその村はないとか、家族のところに戻って暮らしたいが今まで通り暮らせるのかとか、悩んでいる者もいる。


 もちろん残した家族もなく、新天地で新たな生活を始めるという決意をしている人たちもいる。


 人それぞれの事情がある中で、なかなかすぐには決められないだろう。


 俺も考えてみた。


 そして一つ思いついたことがあり、チャッピーのおじいさんであるターガーさんに提案してみることにした。


 それは、壊滅してしまった『バディード村』を復活させるという提案だ。


 『バディード村』の住民は、ほぼ全てゾンビになっていたようだ。


 だから、村を復活させたところで、もはや亜人の村とは言えない感じではあるのだが……。


 ただそれでも、復興させる意味はあると思う。

 それは、シンボル的な意味があるからだ。


 『バディード村』のあった場所に、ただ単に元の村を復活させるのではなく、大きな都市を作るというのが俺の構想なのだ。


 今までは、いろんな系統の亜人が様々な場所に村を作っていたわけだが、それらをまとめて大きな亜人の都市を作るのである。


 もちろん亜人だけが住んで人族は入れないということではない。


 あくまで亜人を中心とした都市ということで、人族とも共存できる都市だ。


 大きな都市を作れば、それだけ力を持つこともできる。


 ここ最近は酷い状況だが、それ以前には公国が亜人の村を保護してきた。

 ある程度の独立を認めつつ保護してきたのだ。


 公国を再建するときには、以前のように亜人達と手をたずさえた友好的な姿に戻すのが良いだろう。


 そんなことも含めて、大きな都市を作り、独立自治区のようなかたちするのがいいと俺は考えた。


 この案を一緒に聞いていたトワイライトさんが、大賛成してくれた。


「素晴らしいと思います。

 国を奪還したら、正式に独立自治区として認可するので、是非大きな都市を作ってください。

 そして今後長きにわたり、『アルテミナ公国』のパートナーとして共に歩んでいただきたいのです。

 今回のような事態に陥らないように、公国が道を外れないように監視し、正してくれる存在になって欲しいのです」


 トワイライトさんからは、そんな話が出た。


 実は、『アルテミナ公国』奪還後の筋書きもある程度できているのだ。


 公国の体制としては、トワイライトさんに公王に即位してもらう。

 そしてタマルさんに側で勇者として支えてもらう。


 事前に打ち合わせをして、決めていたのである。


 奪還後は、誰が公王になるかという問題が発生するからね。


 貴族制度を廃止して民主主義国家にするという考えも、現代日本で育った俺としては頭をよぎった。


 そうすれば王を即位させる必要もない。


 だが、時期尚早だろう。


 ただでさえ混乱している公国が、さらに大きな困難に陥ってしまうからね。


 絶対的な君主が、正しく人々を導き守る方が現時点ではいいだろう。


 王族と言える人たちがどれほど公都に残っているかわからないが、普通に考えれば公王に即位する資格があるのは、トワイライトさんとリリイということになる。


 だがリリイをあの歳で王位になど就けたくない。

 リリイもそんなつもりは毛頭無いようだ。


 俺と一緒にいたいと言ってくれているのだ。


 ただ大人になって、そういう気持ちになったらありだとは思うけど。


 そういうことなので、トワイライトさんにお願いしたわけだが、彼女は王位には就きたくないという意向だった。


 国を取り戻し人々を守りたい、人々の生活を豊かにしたいという思いはある。

 一方で、今の吟遊詩人としての暮らし、『フェアリー商会』での暮らしも気に入ってる。

 トワイライトさんは、そんな本音を漏らしていた。


 そんな話し合いの時に、『コウリュウド王国』の国王陛下や貴族メンバーから色々とアドバイスがあった。


 王位についても、いつでも竜羽基地に集まれるし、今までのように『フェアリー商会』で活動すればいい。


 何かをあきらめる必要はない。

 欲しいものは全部手に入れればいい。


 というようなアドバイスをしてくれたのだ。


 まぁ確かに国王陛下ともあろう人が、ほぼ毎日竜羽基地に来てるからね。


 そこでトワイライトさんも納得し、考えを変えたらしい。


 公王となり、自分が自由に動ける体制をしっかり作れば良いのだと切り替えたようだ。


 彼女の下に仕える宰相とか大臣とかが、大変になるかもしれないが……まぁいいだろう。




読んでいただき、誠にありがとうございます。


ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

評価していただいた方、ありがとうございます。

誤字報告も、助かっています。ペコリ。


次話の投稿は、明日か明後日の予定です。


もしよろしければ、下の評価欄から『評価』をお願いします。励みになります。★★★★★

『ブックマーク』と『いいね』も、お願いします。


何卒、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ