1426.新種族は、約四百人。
チャッピーのおじいさんたちとの対面が少し落ち着いたところで、改めて今後の事について話をした。
ゾンビにされていた他の人たちは、今『コウリュウド王国』のピグシード辺境伯領の『ホクネの街』という無人の街にいることを伝えた。
そして約五百人いた者たちのうち、百人ほどは俺の血に耐えられず、消滅してしまったと伝えた。
これはサーヤから連絡が入っていたのだ。
消滅した人たちの魂は解放され、輪廻の輪に戻ったということも伝えた。
『聖魔不死人』に変性できた者は、正確には三百九十五人と報告を受けている。
チャッピーのおじいさんたち四人を加えれば、『聖魔不死人』は三百九十九人ということになる。
そのうち三百二十九人が亜人ということだったので、チャッピーのおじいさんたち四人を入れれば、三百三十三人になる。
ちなみに、犬亜人とか猫亜人とかの亜人の種類は様々だ。
そして、残りの六十六人が人族だ。
亜人の村で中心的な存在であった『バディード村』の村長であり族長だったターガーさんに、俺は一つのお願いをした。
圧倒的に亜人が多いこともあるし、『ホクネの街』に行って全員の取りまとめ役をしてくれないかという話をしたのだ。
ターガーさんは、快く引き受けてくれた。
それから、ターガーさんたちに改めて『種族』の説明をして、俺の眷属になっていることや『絆』メンバーのこと、『共有スキル』等についても説明した。
そして、ほぼ不死の存在になっていることも説明した。
悪魔の支配から救うために止むを得ず血を飲ませたが、もし成仏して輪廻の輪に戻りたいならば、『アルテミス』様が力を貸してくれるという話もした。
だが、四人ともそのつもりはないとのことだ。
せっかくチャッピーやタマルさんと再会できたのだから、当然だろう。
そしてサーヤからの報告によれば、『ホクネの街』にいる三百九十五人も、成仏して輪廻の輪に戻りたいという人はいなかったとのことだ。
人数が多いのでまだ個別の面談はできていないようだが、状況を説明した後に、希望者を確認したところ一人も希望者はいなかったとのことだ。
サーヤの話によれば、みんなやる気に満ちているのだそうだ。
体から力が漲っていて、気力も充実しているらしい。
『共有スキル』も使えるようになっているから、尚更だろう。
彼らの場合、一度死んでいるわけで、それが新たな『種族』として生きることができ、しかも『共有スキル』いうチート能力まであるのだから、ある意味“転生してチートになりました”的な状態と同じである。
新しい人生を得て、チートも得て、やる気に満ちてしているというのは納得できる。
と言うことなので、みんな俺の眷属として生きていくことになった。
ただ、もともと住んでいた村に戻りたいとか、家族がいる人などは、戻って構わないという話もサーヤがしてくれている。
サーヤはその反応についても報告してくれたのだが、みんな迷っている風だったらしい。
何人かに話を聞いたら、もともと住んでいた場所に戻りたい気持ちはあるが、もはやその里は壊滅しているとか、新しい『種族』になって家族と問題なく生きていけるか不安だとか、人それぞれに悩みがあるとのことだ。
人族の者は皆出身の市町が現存しているので、戻りたいと思っている者も結構いるらしい。
俺の基本的な方針としては、この人たちに『ホクネの街』の住人になってもらってもいいと思っている。
ただ『アルテミナ公国』のことを考えると、悪魔から奪還した後は、亜人たちと共存していた元の公国に戻したほうがいいだろう。
そこで、そんな話も含めてターガーさんと相談してみた。
ターガーさんは、新しい『種族』になったこともあり、新しいスタートを切るのもやぶさかではないし、多分みんなも受け入れるだろうと言ってくれた。
ただ一方で、先祖代々受け継いできた土地や『アルテミナ公国』への思い入れも残っているから、悩んでしまうのだろうとのことだった。
確かに難しい問題ではあるよね。
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