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1424.大型輸送コンテナ、作成。

 新たに自軍に加わることになった元公国軍兵士の編成も終わり、これから本格的に公都に向け進軍することになった。


 通常、公都へは三日程度かかるようだ。


 あの宰相になっていた悪魔は、五日の猶予を告げていた。


 余裕をみて設定した期限のようだが、その言葉を信じることはできない。相手は悪魔だからね。


 一日でも早く公都にたどり着いた方がいいだろう。


 そこで特別な輸送手段を使うことにした。


 それは俺の提案したアイディアで、今回トワイライトさんとタマルさん用にリリースした新造飛行艇『ラビットベース』を使うというものだ。


 ただ『ラビットベース』は、大きめとは言え中型船だ。

 それほど大人数を運べるわけではない。


 俺がアニメ知識で憧れるような宇宙戦艦のような大きさがあるわけではないのだ。


 だから一万人以上なんてとても運べない。


 まぁ俺の知ってる宇宙戦艦でも、一万人以上運べるクラスの船はなかなかなかったと思うが。


 そこで数百人単位で乗れるような大型の輸送用コンテナを作って、運ぶことにしたのだ。


 輸送用コンテナをワイヤーで『ラビットベース』に繋ぎ、空中輸送するのである。


 それでピストン輸送して、全員を運んでしまうというわけだ。


 ただ、この作戦の前提として公都の周辺に軍が駐留できる場所が必要だけどね。


 そして一番肝心なのは輸送用の大型コンテナである。


 これについては、俺の方で用意すると話し、任せてもらうことになった。


 俺は、以前に作った二階建て馬車を利用して作ることにした。


 『波動複写』でコピー生産した上で、その内装を人の輸送に特化した仕様に変更したのだ。


 と言っても、二階建て馬車の座席の仕様を変更して、間隔も狭めて、できるだけ多くの人が乗れるようにしただけだけどね。


 かなり窮屈になるが、数時間なので我慢してもらうしかない。


 この仕様変更した輸送特化バージョンの二階建て馬車を、『波動複写』でコピーし、合計六台作った。


 それから俺は、この六台を乗せることができる巨大な魔鋼の板を作った。


 実際に作ったのは、『勇者力研究所』の常駐スタッフたちだ。


 『コウリュウド王国』の王立研究所から派遣されてきた人々と、『フェアリー商会』の人材が共同で運営しているのだが、俺は密かにナビーに頼んで転移で移動してもらい、現場の人間に指示を出してもらっていたのだ。


 ここでも王立研究所のスタッフを取りまとめている副所長が大活躍してくれたようなので、今度一度お礼を言いに行ったほうがいいかもしれないね。


 そんな感じで、ナビーが完成させたものを持ってきてくれたのだ。


 構造はシンプルと言っても、この大きさの物を数時間で完成させてくれたのは本当にありがたい。


 この巨大な魔鋼の板は、これから作る簡易輸送コンテナの台座のような形になるので、台座板と呼ぶことにした。


 この台座板に、輸送特化二階建て馬車を縦に三つ並べたものを二列、合計六台積載する。


 例えて言うなら、長方形のお盆の上にバスのミニカーを二列に三個づつ並べたような感じだ。


 この二階建て馬車を固定したら、台座板に『ラビットベース』から伸ばしたワイヤーを繋いで接続し、吊り下げて空中輸送するのである。


 かなりの重量になりそうだが、『ラビットベース』の出力なら問題ない。


 輸送される人の中には高所恐怖症の人もいるかもしれないが、低空飛行で運ぶ予定なので、まぁ大丈夫だろう。


 輸送手段はそんな感じで解決した。


 後は、輸送先となる前戦の駐留拠点の確保だ。


 公都に近い場所で、しばらく潜伏可能な広い場所がないか、ムーンリバー伯爵に尋ねてみた。


「なかなかに難しいな……。

 この規模の人数を駐留させる場所となると、かなりのスペースが必要だが……それでいて目立たない場所……公都から遠すぎても困るしのう……」


 ムーンリバー伯爵は、渋い顔をして考え込んでいる。


「あの……アルテミナ山の麓あたりに作れませんか?」


 予想外の人が声を上げた。

 ムーンラビーさんだ。


「うむ……アルテミナ山か……あの霊峰の麓であれば広いし……少し探せば良い場所が見つけられるかもしれん。

 公都からもそれほど遠くない……。

 良いのではないか、候補となる場所はそこしかないかも知れん!」


 伯爵が目を輝かせた。


「そうですね、いいんじゃないでしょうか!

 アルテミナ山は、我が国の象徴のような山です。

 一説には月に住まう『アルテミス』様に一番近づける神聖な場所とも言われています。

 国の奪還の駐留場所としても、最適かもしれません」


 トワイライトさんがそう言いながら、タマルさんと頷き合った。


 と言うことで、他のみんなからも賛成意見が出され、アルテミナ山さんの麓に適した場所がないか探すことになった。


「それでは、私が『ラビットベース』で先行して、調査してきます。

 適した場所を見つけて、兵士たちの受け入れができるように、拠点として整えてきます」


 俺はそう言って、拠点確保と整備の役割を引き受けた。


「あの……私も一緒に行きます!

 なんとなく……直感的に感じるんです。

 『アルテミス』様が一緒に行ったほうがいいって言ってるような気がします。

 場所が場所ですし」


 ムーンラビーさんがそんな申し出をした。


 確かに『アルテミス』様との関わりがあるとされている霊峰だけに、一緒に行ってもらったほうがいいかもしれないね。


 俺は了承した。もちろん他の皆さんも異論は無いようだ。


 これで本当に今後の方針が固まったと言えるので、皆それぞれに動き出した。




読んでいただき、誠にありがとうございます。


ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

評価していただいた方、ありがとうございます。

誤字報告も、助かっています。ペコリ。


次話の投稿は、明日か明後日の予定です。


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何卒、よろしくお願いします。

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