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1423/1442

1414.無人の、街で。

 俺は、『コウリュウド王国』ピグシード辺境伯領の北西の街『ホクネの街』に移動した。


 この街は、まだ復興が始まっておらず無人の街である。

 『マナゾン大河』沿いの街で、近いうちに復興予定の街でもある。


 同じ『マナゾン大河』沿いにあり、南西に位置する『イシード市』は順調に復興を進めている。


 次に復興予定の西の街『セイネの街』には、『アルテミナ公国』で迫害を受けていた人たちを匿っている。

 ハートリエルさん達のレジスタンス組織が保護した人たちである。


 ちなみに、この街も『マナゾン大河』沿いの街だ。


 その北側に位置するのが『ホクネの街』である。


 『マナゾン大河』は、基本的に南北に流れる川なので、川沿いという意味では、『イシード市』『セイネの街』『ホクネの街』は繋がっていると言える。


 発展しやすい位置にあるので、『イシード市』の次に『セイネの街』、その次に『ホクネの街』を復興する予定になっている。


 そんなこともあり、俺はこの無人の街にやって来た。


 ここで、全てのゾンビに血を与えるのだ。


 とは言っても、まだ迷宮都市では戦闘継続中なので、のんびりはできない。


 俺は、密かに念話をして『アメイジングシルキー』のサーヤや『アラクネーロード』のケニーといった『絆』メンバーの仲間たちを、この『ホクネの街』にスタンバイさせていた。


 俺の血を飲ませて変性させた後の対応を任せるためである。


 ちなみに、サーヤたちにはピグシード辺境伯領の未復興の街全てを転移先として、転移の魔法道具に登録してもらっていた。

 だから、すぐに転移で来れたのである。


 一緒に同行してきているムーンラビーさんは、まだ『絆』メンバーになっていないので、先回りでサーヤたちに来てもらっていた。

 別の案件でここに駐在していたという体裁にしてもらうのだ。


 そんな仕込みをしつつ、俺は全てのゾンビを『箱庭ファーム』から出し、ムーンラビーさんに拘束を解除してもらった。


 そして、俺の血を飲ませた。


 拘束を解除してもらってから、俺が凄い高速移動で血を飲ませまくっているのを見て、ムーンラビーさんは目を丸くして口をぽかんと開けていた。


 かなりチートな姿を見せてしまったが……しょうがないだろう。


 まぁ彼女は『アルテミス』様が憑依している時のことも覚えているわけだから、ある程度俺のチートな情報も知っているだろうけどね。


 そう考えると、サーヤたちが別件で駐留していたなんて体裁を取らなくてもよかったかもしれない。


 そして、もはや『絆』メンバーにしてしまった方が良いかもしれない。


 まぁそれは後でゆっくり考えよう。


 そんなことを考えながら、俺はムーンラビーさんを連れて、すぐにコマンドルームに転移で戻った。


 まだ全員が変性を終えていない。


 かなり苦しんでいる者もいたので、何割かは耐えきれず昇天するだろう。


 生前の行いによるものだから、しょうがないと割り切ろう。


 最終的に何人が新しい種族となったかは、後から報告を受けることにする。


 サーヤとケニーがいれば、事態の説明も含め上手くやってくれるだろう。


 二人とも、『絆』メンバーのお母さんポジションだからね。


 もれなく俺の眷属になるから、もれなく俺の『絆』メンバーになるのである。


 状況の説明をして、今後の希望を聞く予定だ。


 不死者として生きていくよりも、成仏して輪廻の輪に戻りたいという人は、『アルテミス』様が力を貸してくれるという話をしてあげるつもりだ。


 そんなこともあり、保護した人それぞれに手厚いケアをサーヤたちに行ってもらうのである。


 そして新しい種族として生きる覚悟を決めた人には、今後のこと……生活のこと、もし家族が他にいるならその人たちとどうするかなど、話し合ってもらうのだ。


 だから、しばらく『ホクネの街』に残って落ち着くまで過ごしてもらう予定だ。


 みんな俺の眷属になり『絆』メンバーにも自動的になってしまうので、いくつかの注意事項も今後守ってもらう必要がある。


 そう考えると、基本的に悪人がいないという事は助かる。


 精神波動が低い人……つまり悪人は俺の血に耐えられないので、俺の眷属になる事はない。


 多少性格に難があるとしても、凄い嫌な奴や悪い奴が眷属になると事がないのは、本当に助かるのだ。


 それに、『聖血鬼』の人たちの例を見ると、多少性格に難がある人でも、俺の眷属になった時点で少し性格が変わって、いい人っぽくなるみたいなことが起きているんだよね。


 だから『聖血鬼』のみんなには、嫌な奴はいないのだ。


 そんな例もあるから、今回も心配していない。


 ただ性格の良し悪しではなく、個性とかクセが強いみたいな人は、当然いるとは思う。


 そこは、尊重されるからみんなちゃんと個性は残るのだ。


 個性は大事だし、いろんな人がいたほうが面白いからね。


 そういう意味では、俺の仲間たちは皆個性の塊とも言えるからね。


 愉快な仲間が増える事は、大歓迎である。




読んでいただき、誠にありがとうございます。


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次話の投稿は、明日か明後日の予定です。


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― 新着の感想 ―
[一言]  どうせ無人だってんならそこを”聖血種”の街にして、ここから世界を”せいけつ”にしていってもいいかも、なんつって(笑)  どのみち"彼ら"に、"寿命"なんて有って無いようなものだしねぇ(^…
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