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1408.悲しき、再会。

 突然現れたゾンビ軍団に向かって、チャッピーが仮面を外し泣きながら走り寄って行った。


 そして『聴力強化』で拾ったチャッピーの叫びに、俺は衝撃を受けた。


 チャッピーは確かに、「お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん」そう叫んだ。


 どういうことだ?


 ん!?

 あれはタマルさん!


 チャッピーの叫びが聞こえたのか、少し離れたところで戦っていたタマルさんが走り寄って行く。


「父様っ! 母様、兄様、義姉さん」


 ゾンビたちに近づいたタマルさんも声を上げた。


 ……これで確定だ。


 二人の叫びを聞く限り、あのゾンビたちの中に彼女たちの肉親がいるのだ。


 悪魔により滅ぼされたチャッピーの村、『バディード村』の人たちがいる。

 魔物に滅ぼされた多くの亜人村の人たちもいるのだろう。


 殺しただけでは飽きたらず、ゾンビにして手駒にしたのか……。


 許せない!


 ゾンビたちは、無反応のまま行進を続けている。


 そもそも自由意志があるかわからないし、あっても『悪魔隷属状態』だからチャッピーたちのことはわからないのだろう。


 だがこのままでは接敵してしまう。


 もし襲ってきたら……チャッピーやタマルさんは反撃できない可能性が高い。


 俺は、仮面勇者からグリムの状態に戻り、『跳躍移動(テレポーテーション)』でチャッピーの下に向かった。


 チャッピーとタマルさんの所には、リリイとトワイライトさんも駆けつけて来た。


 ニアも心配して羽妖精の姿に戻って、追いかけて来た。


「チャッピー、この中にお父さんお母さんおじいさんおばあさんがいるんだね?」


 チャッピーは泣きながら、コクリと頷いた。


 そして顔を上げて指差した。


 そこにいるのか……?


 ゾンビ軍団の先頭集団の中にいるようだ。


 チャッピーもどういう状態なのかわかっているのだろう、無理に近づこうとしない。


 だが、これ以上近づいたらおそらく戦闘が始まってしまう。

 そうなったら収拾がつかなくなりそうだ。


 みんなそう感じているのだろう。


 タマルさんがチャッピーを後ろから抱き締めている。


 そして、泣きながら肉親に呼びかけている。

 チャッピーも同じように叫んでいる。


 ん! ……その叫びが聞こえたのか……チャッピーのお父さんとお母さんと思われるゾンビが動きを止めた。


 とても苦しそうだ。


 この感じ……悪魔の隷属支配に抗っているのか……?


 ゾンビ化したとは言え、心が残っている?


 ん!?

 魂が残っているのか?


 俺は、混乱する思考を整理する。


 そして今こそ、俺の脳内メンバー総動員だ。


(ナビー、レタ、タイディ、この人たち……ゾンビになっているが、どうにか助ける方法はないか、考えてほしい)


(わかっています。今検証中です)


 ナビーが代表して答えた。


 そして数秒、すぐに返事が来た。


(マスター、 方法はまだ検討中ですが、まずはこの者たちを全て無力化し、別の場所に移すことを提案します)


(別の場所に移す……?)


(はい、何かしら特別なことを行わないと救えない事は明らかです。

 それを多くの人に見られたり、悪魔に見られる事態は避けるべきです)


(ああ確かにそうだね。わかったよ)


(それから移動させる方法ですが……一番早いのは、マスターの『固有スキル』である『絶対収納空間』の『亜空間収納』コマンドを使うことです。

 特定の空間そのものを切り取って、スキルで構築された亜空間に一時的に保存できるので、魂のある者も回収できるますので。

 ですが、『悪魔隷属状態』の者を回収するのは避けたほうがいいと思います。

 少し面倒ですが、いつも通り魔法道具の『箱庭ファーム』で回収して、別の場所に移動したほうがいいでしょう)


 なるほどそういうことね。


 確かにまだ使った事は無いけど、『絶対収納空間』の『亜空間収納』コマンドを使えば一瞬だ。


 だがこのコマンドは、対象者に強い反対の意思があればレジストされる。

 『悪魔隷属状態』ではレジストされる可能性があるし、されなかったとしても悪魔に情報が漏れたり、何か変な影響が出る危険がある。

 だから避けたほうがいいというわけだね。


 まぁ使い慣れてないから、そもそも俺にはこのスキルを使うという発想はなかったけどね。

 恥ずかしながら……もともと『箱庭ファーム』で運ぼうと思っていたのだ。

 まぁそれはいいだろう。


 普通ゾンビは、生きていたときの魂が抜けて動く死体の状態になっている。

 だが、魔物化した状態になっているので、元の魂とは違うゾンビとしての魂というか、魂の残滓というか、そんなものがあって、収納系のスキルには収納できないのである。


 ただ、ナビーたちはそういう意味ではなく、俺と同じように元の魂が残っていると考えているようだ。


 殺されたのに、何かの術のようなもので、魂が解放されずに残っているのかもしれない。


 仮にそうだとすれば、輪廻の輪に戻って生まれ変わることもできずに、このまま死者として彷徨うことになってしまう。


 そう考えると最低でも、浄化して成仏させてあげたい。


 これは、『死霊使い』であるリリイの能力があればできるはずだ。

 ただ『悪魔因子融合状態』『悪魔隷属状態』ということが問題になる可能性はあるけどね。


 それに、そもそもその方法は最後の手段だ。


 最善は、元に戻すことだからね。


 ただ……一度死んだ者を生き返らさるなんて……できないしなぁ……。


 まぁ今ここで考えていてもしょうがない。


 まずはこの五百人以上のゾンビ集団を、無力化して回収してしまわないと。




読んでいただき、誠にありがとうございます。


ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

評価していただいた方、ありがとうございます。

誤字報告も、助かっています。ペコリ。


次話の投稿は、明日か明後日の予定です。


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何卒、よろしくお願いします。

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