1405.今回の遊撃要員は、執事とメイド。
突如として現れた幼女、水龍のタツコちゃんとアメンボ型虫馬『アシタカ』のメンボウのおかげで、アクアリアさんの『水魔法——清めの雨』の効果範囲が拡大され、呪いの攻撃を受けた人たちが一気に解呪された。
俺は離れた場所から、『視力強化』スキルと『聴力強化』スキルを使い状況を把握していたわけだが、解呪が終わったことでアクアリアさんに念話を入れた。
そしてタツコちゃんとメンボウを、一旦『ツリーハウスクラン』に連れて行くように指示した。
二人とも、めちゃくちゃ目立っているからね。
コマンドルームにいる『ライジングカープ』のキンちゃんに確認したところ、この南区では冒険者ギルドとは反対の『東ブロック』の大きな戦場は、まだ戦闘継続中だった。
そこは、あの『強き一撃クラン』のレオニールさんたちが他の冒険者たちを指示して戦っている場所だ。
そこには、『獣インプ』と『獣ジャキ』しかいないので、このまま任せても大丈夫だろう。
キンちゃんからの状況報告を聞いても、そう判断して問題ない。
怪我人の回復も、冒険者たちや俺の回したフォロー要員で問題なく行えている。
俺が回したフォロー要員とは、俺の執事とメイドということになっている『スライマン』のスラリーとスラミティーだ。
二人が、この戦場のフォロー要員として活躍してくれているのだ。
この子たちは優秀だし強いので、自由な判断で行動させている。
戦場を移る許可も与えているので、今いる戦場が落ち着いたら他に移動するかもしれない。
そう、この二人は遊撃部隊なのだ。
今までの戦いで、『アラクネーロード』のケニー、俺の『自問自答』スキル『ナビゲーター』コマンドのナビーなどが担当してくれていた遊撃部隊の役割を、今回はこの二人に任せたのだ。
俺専用の執事とメイドというのは名ばかりで、普段から自由行動をさせている二人だ。
遊撃部隊が適任である。
ちなみにケニーもナビーも、今回の戦いには呼んでいない。
彼女たちを含めた俺の『絆』メンバーや、秘密基地に集まる貴族メンバーたちは、基本的には参戦していない予定だ。
もちろん、作戦に参加したいと言うメンバーもいたが、今回はあくまで『アルテミナ公国』の人たちやそれに関係する人たちを中心にして、事を成すことを重要視している。
だから、いざという時以外は出動しないという話をして、納得してもらっているのだ。
逆に言えば、いざと言うときの切り札でもあるが。
俺の『絆』メンバーは、あまりショックを受けていないが、ビャクライン公爵を中心とした一部の貴族メンバーは結構がっかりしていた。
しょうがないよね。
応援に来て、万が一ビャクライン公爵だってバレたら、国際問題になっちゃうからね。
国王陛下と二人で、ガッチリ変装すれば大丈夫じゃないかとか密談をしていたので、それぞれの奥さんにチクっておいた。
少し申し訳ない気もするが……しょうがないよね。
またハナシルリちゃんも、変装して『仮面の勇者』を名乗って参戦しようと考えていたようだ。
『仮面の勇者ビャッコ』にするか『仮面の勇者ホワイト』にするか悩んで唸っていたところを発見したので、事前に却下しておいた。
見た目は四歳児だし……しょうがないよね。
まぁカジュルちゃんも幼女サイズに大きくなっているとは言え、見た目の大きさはハナシルリちゃんとあまり変わらないんだけど、それはそれだ。
ビャクライン公爵たち親御さんも心配するだろうからね。
もっとも、ビャクライン公爵はノリノリで自分も一緒に参加するなんていいそうだけどね。
ちなみに『絆』メンバーとはなっていない貴族メンバーたちにも、『仮面勇者団』のことは話している。
隠したところで、どうせ気づかれるからね。
俺が『大勇者』であることも知っているわけだし。
それから、参戦を却下されたハナシルリちゃんは、かなりご立腹だった。
『頭突きアッパー』をかまされたからね。
俺はその時は、女性にドキドキしていたわけではないので、完全な腹いせだと思う。そう腹いせだ。
腹いせで発動するなんて……酷いじゃないか!
強く抗議したい。
でも……抗議しなかったけどさ。
もっとややこしくなったら嫌だったからね……トホホ。
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