1403.『仮面勇者団』、只今参上。
「只今参上、仮面の勇者ピーチ!」
「同じく、仮面の勇者ゴールド、なのです!」
「同じく、仮面の勇者ブルー!」
「「「我ら『仮面勇者団』! 人を苦しめる不埒な悪魔を滅する者なり!」」」
現れたのは『仮面の勇者ピーチ』こと『クイーンピクシー』人型サイズのニア、『仮面の勇者ゴールド』こと『ドワーフ』のミネちゃん、『仮面の勇者ブルー』こと『キジムナー』のカジュルちゃん幼女サイズの三人である。
三人とも俺が装備している仮面勇者装備の色違いを装着している。
ニアはピンク、ミネちゃんが金色、カジュルちゃんが紺色だ。
当然マスクも同じデザインのものを装着しているので、身元がばれることもない。
この三人のモチーフは、桃太郎、金太郎、浦島太郎になっている。
プロデュースは、悪乗りしたハナシルリちゃんだ。
決めゼリフと決めポーズも、事前に打ち合わせをしてあったようだ。
せっかくの初登場だから、ポーズを決めてセリフを決めたいのはわかるけど……シリアスな状況を全く無視して、ノリノリすぎる。
まぁかっこよく決まってるけどさ。
三人が腕組みして登場しそれぞれ名乗った後、一緒に言うセリフのところは刀を抜いて天に掲げて、三本の先端をクロスさせている。
三人が装備している武器は、この前『コボルト』の里で作った刀である。
ニアは『竜鋼刀 桃断丸』、ミネちゃんは『竜鋼刀 金断丸』、カジュルちゃんは『竜鋼刀 水断丸』だ。
それぞれ『究極級』階級の武器である。
三人とも俺に合わせたのか、仮面勇者装備の武器にしたのだ。
ポージングを決めた後は、三人とも一斉に動き出した。
指示通り、『呪いの人形』に斬りかかっている。
よし、俺は悪魔の相手だ。
呪いの悪魔を、斬って斬って斬りまくる。
斬るたびに一瞬で『呪いの人形』とチェンジして、靄となって消える。
その度に、別の場所に移っているが、俺も瞬時に追いかけ斬り付ける。
『限界突破ステータス』を活かした高速移動で、反撃の隙を与えない。
もちろん、追加の人形を出す隙も与えない。
とにかく斬り続ける。
『呪いの悪魔』は、身代わりを繰り返しながらも、徐々に焦ってきているのが伝わってくる。
だがお前には何もできないぞ。
俺は、更に斬って斬って斬りまくる。
ピーチ、ゴールド、ブルーも『呪いの人形』を斬って斬って斬りまくる。
斬って斬って斬りまくる。
息つく暇もない連続攻撃で、俺はとうとう『呪いの悪魔』の本体を斬った。
ピーチたちの『呪いの人形』の殲滅が終わった直後、俺は奴の本体を斬っていた。
確かな手ごたえがあったのだ。
俺の聖剣が体に通った瞬間、奴は苦悶の表情を浮かべ黒い液体となって崩れさり、その後靄となって霧散した。
あまりの呆気なさに、倒せていないのではないかと一瞬思ったが、それは杞憂だった。
今まで倒した悪魔の時と同じだし、実際もうどこにも悪魔の気配を感じないからね。
少し拍子抜けな感じで倒してしまったが、これで安心するわけにはいかない。
『呪いの悪魔』の呪いは、まだ残っているのだ。
倒したからといって、呪いまで消えるというわけではなかった。
そうそう甘くはないわけだ。
この戦場は呪いの効果のせいで、酷い状態になっているのだ。
強化された『魔物人』と『獣インプ』『獣ジャキ』は倒してしまえばいいが、呪い攻撃で苦しんでいる人や呪いの雨で狂乱状態になっている人たちは、倒さずに無力化しなければならない。
俺は、ニアたち三人に『魔物人』『獣インプ』『獣ジャキ』の対処を頼んだ。
呪いの効果を受けた人たちは、俺の方で対処をする。
と言っても広範囲にわたるから厄介だ。
……一気に解呪してしまうのが一番いい。
この呪いを解けるのは、『水使い』のアクアリアさん、『光柱の巫女』のムーンラビーさんだ。
ムーンラビーさんは、スキルの連続使用で消耗しているだろうから、ここはアクアリアさんに頼むか。
彼女は中区で戦闘中だが呼び寄せよう。
『絆』メンバーなので、念話が繋がる。
早速話をすると、今パーティーから離れても特に支障は無い状況とのことなので、来てもらうことにした。
俺は、『集いし力』で一瞬で呼び寄せた。
ただ、俺とは少し離れた場所にした。
何しろ今の俺は、突然現れた謎の存在、『仮面の勇者マスカレード』だからね。
アクアリアさんと一緒に戦っているところを見られると、彼女の所属するクランのマスターである俺とマスカレードとの繋がりを疑われる可能性がある。
だから、あえて少し離れた場所に転移させたのだ。
『集いし力』は俺の下に転移させるわけだが、俺が目視できる範囲ならどこにでも転移にさせれるのだ。
この南門前の広場が広く、かなり見渡せたというのも大きいけどね。
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