表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1404/1442

1395.中区での、戦い。

 北門前の平原での『獣インプ』『獣ジャキ』との戦いは、ある程度落ち着いてきた。


 『月霊神の巫女』となったトワイライトさんとリリイ、そして『月光の勇者』『月の輪勇者』となったタマルさんとチャッピー、『スライム』たちの活躍で、順調に討伐しているのである。


 そこで俺は、一旦『蜂の巣砦』の簡易型戦闘ブリッジ、通称コマンドルームに戻った。


 このコマンドルームでは、『ライジングカープ』のキンちゃんが中心となって、迷宮都市全域をモニタリングしている。


 そして、俺には状況が念話で報告されていた。


 『獣インプ』『獣ジャキ』が現れたときに、連絡が入っていたのだ。


 『獣インプ』『獣ジャキ』は、北門前だけに現れていたのではない。


 実は、少し時間差があるものの、中区と南区にも現れていたのだ。


 だがこれも想定の範囲内だ。

 広範囲に渡っての襲撃は予想できた。

 だから、事前に戦力を配置していたのだ。


 本来の迷宮都市の戦力である衛兵隊の全部隊、ムーンリバー伯爵の私兵、他の貴族の私兵、志願兵などは、公国軍が向かってくる北区に集まってもらっていた。


 それ故に、もし中区と南区に何らかの方法で魔物などが襲ってきたときには、戦力がほぼ無い状態になる。


 だから、俺の仲間たちと冒険者の戦力を、配置していたのである。


 まず中区に配置していたのは、『ツリーハウスクラン』所属の冒険者パーティー『希望の枝(ブランチオブホープ)』と『守護炎の騎士』だ。


 Eランクに上がったばかりの育成新人パーティーと、『ヘスティア王国』第三王女のファーネシーさんをリーダーとするDランクパーティーだ。


 それから、後天的覚醒転生者で元怪盗イルジメのオカリナさんと、その攻略者仲間の『コボルト』のブルールさん、『ハーフエルフ』のハートリエルさん、『鬼人族』のシュキさんにも来てもらっている。

 『コウリュウド王国』の迷宮都市での攻略者時代のパーティー『火縄魔釣(ひなまつり)』の再結成という感じだ。


 ブルールさんとシュキさんは、今後の動きのために各市町にあるレジスタンス組織に準備に行ってもらっていたのだが、一時的に帰って来てもらったのだ。

 転移の魔法道具を使えば一瞬だからね。


 『獣インプ』と『獣ジャキ』のレベルは40だから、『希望の枝(ブランチオブホープ)』と『守護炎の騎士』は心もとない。


 オカリナさん達には、この若い冒険者たちをフォローしながら戦ってもらうように頼んでいる。


 彼女たちには、結構大変な役目を頼んでしまったが、なるべくクランの冒険者が戦う経験を積んで欲しいので、お願いしてしまったのだ。


 今回の防衛戦にあたっては、クランメンバーも一緒に戦わせてほしいと申し出てきた。

 皆の総意だった。


 この前のクラン防衛戦で、結束が更に強くなったみんなは、一つの部隊のようになっている。

 俺としては、ある意味一番頼れる精鋭部隊という感じだ。


 中区に配置したこの三パーティーは、太守邸を拠点に待機してもらっていた。


 そんなこともあって、太守の長男であるムーディーさんと妻のベニーさん、太守長女のムーランさんも戦闘態勢で参加している。


 ただこの人たちは、レベルが高くないので、フォロー程度の参加に留めてほしいと言ってある。


 ムーディーさんたちの娘のルージュちゃんは、『勇者』の『称号』を得たこともあり、『希望の枝(ブランチオブホープ)』のメンバーになって一緒に戦うことになっている。


 そんな戦力を配置していた中区だが、予想以上に広範囲に多くの『獣インプ』と『獣ジャキ』が現れていて、初期配置の戦力では少し心もとない。


 俺は、南区のクラン本部でスタンバイしている盾の付喪神フミナさん達に念話を入れて、中区に応援に来てくれるように頼んだ。


 盾の付喪神フミナさん、『高速飛空艇 アルシャドウ号』の付喪神のエメラルディアさん、『ホムンクルス』のニコちゃん、『雷使い』のラムルちゃんが来てくれれば、かなり戦力が安定する。



 俺がいる『コマンドルーム』には、いくつものモニターがあり、そこに各地での戦いの映像が写し出されている。


 応援のフミナさん達も到着していて、中区でも戦闘が継続されている。


 皆頑張ってくれているが、敵の数が多いこともあり、殲滅速度は少し遅い。


 と言っても、俺の中での比較の対象がさっきまで確認していたリリイたちなので、少し酷な評価だと思う。


 十分圧倒している。


 オカリナさんは『神獣キリンの巫女』なので、その力を使えば圧倒することもできるし、パートナーの『神獣キリンの化身獣』となっている『スピリット・ブロンドホース』のフォウを呼べば、より圧倒的な戦いができる。


 だが現時点では、その力は使っていない。


 余程のピンチにならない限りは、使わないように言ってあるのだ。


 オカリナさんの場合は、その力を使わなくても充分レベルも高いし、元怪盗イルジメでもあるわけだから問題ないだろう。


 今後の為にも、隠せる力は隠しといたほうがいいからね。


 今のところ、完全に圧倒しているしね。


 もちろん、仲間のブルールさん、ハートリエルさん、シュキさんも圧倒している。

 ブルールさんが召喚した『相棒犬(バディードッグ)』のパトとラッシュ、ラスとカルも活躍している。


 さっき、殲滅速度が少し遅いみたいなことを思ってしまったが、撤回したほうがよさそうだ。


 めちゃめちゃ屠りまくってる……。

 何この人たち……凄すぎるんですけど。

 敵が広範囲に散開してなければ、このパーティーだけで充分だったかもしれない……。




読んでいただき、誠にありがとうございます。


ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

評価していただいた方、ありがとうございます。

誤字報告も、助かっています。ペコリ。


次話の投稿は、明日か明後日の予定です。


もしよろしければ、下の評価欄から『評価』をお願いします。励みになります。★★★★★

『ブックマーク』と『いいね』も、お願いします。


何卒、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ