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1394.小さな巫女と、小さな勇者。

 突如として大量に現れた『獣インプ』と『獣ジャキ』は、トワイライトさんとタマルさんに屠られている。


 そして、この戦場にまた新たな援軍が現れた。


 小さな巫女と小さな勇者が現れたのだ。


 そう、俺の愛するリリイとチャッピーである。


 リリイは『月霊神の巫女』の『戦巫女発動状態』に変身し、チャッピーも『月の輪の勇者』の『勇者武装状態』に変身している。


 この子たちも、うずうずしていたから戦わせてあげないとね。


 当然この展開も、作戦の内だ。


 ただリリイとチャッピーは、多くの国民に顔を晒すと今後の活動が大変なので、特別に作ったマスクを装着している。


 目の所と口の部分は空いてるが、顔の大部分が隠されている。


 リリイとチャッピーだとは、すぐにはわからないだろう。


 まぁそれでも俺のところにいる最強の八歳児リリイとチャッピーを知っている人なら、連想してしまうかもしれないけどね。


 颯爽と走る二人は、『獣インプ』と『獣ジャキ』に近づいたところで、急ブレーキをかけた。

 ブレーキによる摩擦で、土煙が立ち昇っている。


「月光の戦巫女、見参なのだ!」

「月の輪の勇者、推参なの〜」


「「月の女神に代わってお仕置なのだ!(なの〜)」」


 二人はそんな決めゼリフを言って、手をクロスしながら指鉄砲を作った。

 この独特のポーズ……。


 なにこれ……?


 これって俺の元いた世界で大ヒットしていた美少女戦士の決め台詞のパクリだと思うんですけど……。

 てか誰が教えたのよ!?


 まぁ犯人は、いつものようにハナシルリちゃんか、その情報を受けたニアさんだよね。

 『ランダムチャンネル』で情報が入るキンちゃんが噛んでいる可能性も高いけどね。

 まぁいいけどさぁ。

 めっちゃ可愛いからね。

 おじさんは……親心でめっちゃニヤけてしまったよ。

 イベント時のカメラお父さんの気持ちだ……。


 と言うか、名乗りをあげてしゃべったら、あの独特の口調で正体がわかっちゃうよね……?


 それはともかく、二人が攻撃に取り掛かる。


 リリイは、トワイライトさんと同じく『月光弓』を弾いて、矢を乱れ撃っている。


 チャッピーは、『ニャンプログローブ』で『獣ジャキ』を切り裂きまくっている。


 拳の部分から飛び出す爪が縦に長く伸ばせるようで、難なく切り裂いている。


 弓の攻撃が一段落したリリイは、さっきのトワイライトさんと同じように、『月光術』の『ツキノワグマ』コマンドを発動した。


 あれ……?

 ついさっきまでは、コマンド発現していなかったと思うんだけど……。


 このタイミングで使えるようになっちゃったわけ?

 さすが天才児、俺の可愛いリリイだ。


 ただリリイの天才ぶりは、それだけではない。

 すでに使い方がトワイライトさんを超えていた。


 先程トワイライトさんは両腕の指を組んで前に出し、その先から一体のクマ型のエネルギー弾を発射していた。


 だが、リリイは腕を組まないでグーパンチを両方突き出すような形にして、その先からそれぞれクマ型のエネルギー弾を発射したのだ。

 二体同時に動かしている。


 これって念の力で操作して攻撃しているはずだから、二体同時に動かすのってかなり大変だと思うんだけど……。


 でも魔力操作の天才児リリイは、難なくこなしている。


 キンちゃんのおかげで新たに『共有スキル』にセットできた『マルチタスク』を活用すれば、こういうこともやりやすくなるかもしれないが、リリイの様子を見る限り『マルチタスク』を併用している感じではない。

 自力でやってしまっているようだ。


 末恐ろしい。

 もしリリイが『マルチタスク』と連動させたら、あのクマ型のエネルギー弾を四個よか八個とか出して攻撃しまくりそうだ。

 ……恐るべし天才少女。


 そして俺と同じで、『マルチタスク』を活用するという、スキルを使いこなすことを忘れている気がしないでもない。

 まぁ俺とは違って天才児だから、必要な時に思いついてやっちゃうだろうけどね。


 そして、天才がもう一人いました。


 そう、ご存知チャッピーちゃんです!


 チャッピー……何か知らないけど、「ニャンプロキック」とか言いながら『獣ジャキ』の頭を踏みつけながら、ジャンプで移動している。


 そのキックというか踏みつけで、『獣ジャキ』を倒してしまってますけど……。

 あいつらレベル40もあるんですけど……。


 いくらチャッピーがレベル50を超えてるとは言え、踏みつけるだけでサクサク倒しちゃっているのは、異様な光景だ。


 見た目は、踏みつけながら移動しているだけなんだよね。


 ただ、よく見ると踏みつける時に、その場で高速で二回三回とステップを踏んでいたのだ。


 普通の人には、一回踏んでいるようにしか見えないだろう。


 俺は、猫とか犬とか動物が大好きだったので、元の世界にいた時は子供の頃に飼育していた。


 その経験から言えば、猫が、特に子猫同士が取っ組み合いをするいわゆる“ニャンプロ”をするときに、相手を後ろ足で何回もひっかくように蹴ったりすることがあった。


 あれを、超高速にしている感じが『ニャンプロキック』だ。


 これは、おそらくチャッピーの『月の輪の勇者』としての『職業固有スキル』である『月輪殺法』によるものだろう。


 先程タマルさんは、『月光殺法』で、フラッシュを交えながら超高速の『立体機動』で攻撃をしていたが、それと同じような技能だと思う。


 もっとも、チャッピーの『月輪殺法』は、フラッシュ等を発生させることはなく、普通に攻撃しているように見える。


 それでも目にも見えない速さで連続でキックスタンプをしているのだから、やはり高速系の技能なのかもしれない。


 と思っていたら……空中にいる『獣インプ』に向けて、チャッピーがジャンプした。


 そして前転するような感じで高速でくるくる回転しだした。


 そのまま空中を移動し、すれ違いざま『獣インプ』を切り裂いた。


 チャッピーのあまりの高速回転が、まん丸い感じに見えて、お月様みたいに見える。


 これが、『月輪殺法』の真骨頂なのかもしれない。


 そんな高速回転の()は、空を飛ぶように移動しながら攻撃を続けている。


 やっぱり圧倒的だ……。


 それにしても……目が回らないのだろうか?



 なんか、この子たちが凄すぎて……さっきの圧倒的だったトワイライトさんとタマルさんの戦いが、色あせる感じになってしまっている。


 とは言っても、彼女たちも今現在も戦闘中だけどね。


 いやぁー、感心するとともに、イベント事のカメラパパの感情がより強くなってしまった。

 後でゆっくりキンちゃんが撮影した映像を見たい。

 完全に、“親ばかモード”が強くなってしまった。


 ちなみに、戦いの様子はある程度迷宮都市内の市民にも映像としても見せているのだが、事前に打ち合わせして、リリイとチャッピーの映像は最小限にしてもらっている。


 覆面をしているとは言え、見る人が見ればわかっちゃう可能性があるからね。




読んでいただき、誠にありがとうございます。


ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

評価していただいた方、ありがとうございます。

誤字報告も、助かっています。ペコリ。


次話の投稿は、明日か明後日の予定です。


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『ブックマーク』と『いいね』も、お願いします。


何卒、よろしくお願いします。

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