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1165.様々な、設備。

 『ドクロベルクラン』の屋敷で作られていた物も、あったそうだ。


 それは、俺たちへの襲撃に使われた『土素材の人形(ソイルゴーレム)』だ。


 『土素材の人形(ソイルゴーレム)』については、トヤッキーが開発していたのだそうだ。

 土を入れて焼き上げる人型の窯や、手や足などのパーツ毎の型もあったそうだ。


 予備の『土素材の人形(ソイルゴーレム)』も、十体あったらしい。

 これも戦利品として、もらえることになったそうだ。


 トヤッキーは、驚くことに、上級の土魔法である『土魔法——土素材の人形(ソイルゴーレム)』を所持していて、自分で人形の出来栄えを検証することができたらしい。


 襲撃の際、『ドクロベルクラン』のメンバーが、魔法道具の腕を装着して、同様の原理の技を発動していたわけだが、その開発にはトヤッキーは関与していないとのことだ。

 腕型の魔法道具は、『黒の賢者』のもたらしたものらしい。


 あの魔法道具は、人間の体に接続することで、擬似的にスキルを持っている状態を作り出し、同時に五体まで稼働させることができる性能だったようだ。


 単なる魔法道具だった場合には、一体しか動かせないが、体に直接接続して稼働させると、五体動かせるようになるらしい。


 両腕に装着すれば、全部で十体動かせるわけだ。


 自分の体を犠牲にするという恐ろしい魔法道具だ。


 そんな魔法道具を装着したから、『状態』表示が『改造人間状態』と表示されていたわけだよね。


 メンバーたちは、自ら進んでその措置を受けたわけではないらしい。


 トヤッキーの証言によれば、ポロンジョは『魅了』スキルを持っていて、スキルをかけて従わせて、腕を切り落とし、腕型の魔法道具を装着したとのことだ。


 切り落とした部分に魔法道具をあてがうと、自動で接続回路が伸びて、装着できてしまうのだそうだ。


 それにしても酷い話だ……仲間の腕を、切り落としてしまうなんて。

 改めて思うが、人を使い捨ての駒としか考えてない、酷い奴らだ。


 腕型の魔法道具二種は、俺が戦利品としてもらったが、使い道はない。

 腕を切り落として装着なんて……考える余地もない。


 『ドワーフ』のミネちゃんに渡して、人の身体に装着しないで使う方法がないか、検討してもらおう。


 それが無理なら、お蔵入り確定になる。



 他にも驚くべき設備があったらしい。


 『魔法道具プリンター』と呼ばれる特別な魔法道具があったそうだ。


 製法が登録されている特定の魔法道具を、必要素材をセットするだけで、自動で作成するという驚きの高機能装置だったとのことだ。


 なんとなく…… 3Dプリンターみたいな感じだ。


 そこに登録されていた魔法道具が、『土素材の人形(ソイルゴーレム)』に装着されていた『魔芯核シナプス』だったらしい。


 『魔法道具プリンター』を使えば、『魔芯核シナプス』だけは、いくらでも製造できるということだ。


 人形自体もトヤッキーが作っていたわけだから、あの強いゴーレムが、いくらでも作れる状態だったわけである。


 俺たちへの襲撃が、いわば実戦テストだったようだ。


 『魔法道具プリンター』も、『黒の賢者』に提供されたものとのことだ。


 使い方マニュアルみたいなものが置いてあって、必要な素材が明記されていたそうだ。

 それは……何らかの魔物の骨と『魔芯核』と『魔鋼』だったらしい。


 『魔鋼』は、少し調達が大変かもしれないが、他の物は、迷宮に入れば簡単に手に入る。

 もちろん『魔芯核』は、『冒険者ギルド』に出さないで、密かに持ち帰ることになるけどね。


 『魔芯核シナプス』は、ゴーレムが強くできるから、結構使えると思う。

 俺の『ボタニカルゴーレム』にも試してみたい


 もし使えるなら、全てにセットしたい。


 戦利品として、『魔法道具のプリンター』も貰えると助かるが、貰えなかったとしても、俺の場合は『波動複写』でコピーできるから、『魔芯核シナプス』が一つあれば問題ない。


 ニアたちが、かなり回収してくれているから、全く問題ないだろう。



 襲撃の時に、トヤッキーが使っていた小型の魔砲と、ボンズラーが手にはめていた大きな鉄のグローブのようなものも、『黒の賢者』に与えられたものだったようだ。


 それも戦利品として、ニアが回収している。


 そういえば、あの戦いのときには『波動鑑定』していなかった。

 改めて『波動鑑定』してみよう。


 ニアに、『アイテムボックス』から出してもらう。


 トヤッキーが使っていたバックパック一体型の両手バズーカは、『名称』が、『小型魔砲 ショートバズーカ』となっていて、『階級』が『極上級(プライム)』だった。


 バックパックに魔力を充填しておくことができるので、ある意味魔力電池としても使えるようだ。

 フルに充填しておけば、最大で十連射可能らしい。

 二本あるから二十発打てるということのようだ。


 あの夜空に打ち上がった感じを見ると、かなり威力がありそうだ。

 携帯できる魔砲として、強力な武器になるだろう。


 ただ威力がありすぎて、周辺被害が出そうだから、戦場を選ばないといけないかもしれない。


 ボンズラーが両腕に装着していた巨大なグローブは、『名称』が『魔具 パンチングアーム』となっている。

 『階級』は『極上級(プライム)』だ。


 魔力を流すことで強固になり、重量を重くしたり軽くしたりという調節ができるようだ。


 腕を差し込む構造になっていて、差し込んだ腕に自動でフィットする機能になっている。


 殴ることに特化した武器ということだろう。


 これらの武器も、今後仲間の中で適任者がいたら、渡して使わせてあげよう。



 それから、武具ではなく酒の製造設備もあったそうだ。


 ポロンジョは、蜂蜜酒いわゆるミードが大好きだったらしく、それを作る設備があったのだそうだ。


 完成したミードも、大量にあったらしい。


 蜂蜜酒を作るのは、蜂蜜を発酵させるだけだから、それほど難しい作り方ではないと思うんだけど、結構しっかりとした醸造設備になっていたそうだ。


 蜂蜜酒は、作ろうという発想があまりなかったけど、いいかもしれないね。



 これから改めて、屋敷にある設備については、詳しく調査するそうだ。

 トヤッキーとボンズラーの取り調べも併せて、進めていくとのことだ。


 カッパードたち『おかっぱ軍団』も、尋問されるらしいが、奴らからは、情報はあまり期待できないだろう。


 そんなことよりも、ニアは、おかっぱたちが面白かったと、思い出し笑いで腹を抱えていた。

 みんな綺麗なサラサラ髪のおかっぱ頭だったのに、チリジリのアフロヘアーみたいになっていて、めっちゃ面白かったらしい。


 俺は、チリジリ頭になって倒れているところしか見なかったが、アフロみたいになっていたとは……見たかったな。


 まぁ、あいつらのことは、どうでもいいけどね。




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― 新着の感想 ―
[一言] > 『ドワーフ』のミネちゃんに渡して、人の身体に装着しないで使う方法がないか、検討してもらおう。  でもロケットパンチが使えるじゃない! とあらぬ方向に改造されないといいが。
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