表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1112/1442

1103.着信メッセージが、あります。

「旦那様、『光柱の巫女』のテレサさんから伝言があります。本当はお呼びしたかったのですが、急だったので、ここには来れませんでした」


 『アメイジングシルキー』のサーヤから、そんな報告があった。


 伝言があるなんて……なんだろう?


「どんな伝言?」


「はい。それが……テレサさん自身も戸惑っていたのですが、神託というわけでは無いようですが、『精霊神アウンシャイン』様から、メッセージが伝わってきたと言うのです」


 おっと、それは何か重要なことかな?

 悪魔に関すること……とかだろうか?


「メッセージって?」


「それが……「『救国の英雄』に、働きすぎに気をつけて」と伝えてほしいというものだったとのことです……」


 え、働きすぎ?

 なにそれ!?

 それって、どんなメッセージよ?

 ……お母さんですか?


 俺を心配してくれているようで、ありがたいんだけど、なぜそんなメッセージを?


 確かに、ここのところ働きすぎだとは我ながら思っている。

 夜に『闇の掃除人』の活動とかもしてたから、ハードだったんだよね。


 俺のよくわからない『固有スキル』の『怠惰』も、警告を発しているような気が直感的にしてたけどさぁ……。


「テレサさんは、そのメッセージについて、何か見解を言ってた?」


「それが、彼女も戸惑っているようでした。言葉通り……“働きすぎずに、充分休養をとってください”と言っていました」


 そうか……彼女も戸惑うよね。


 それにしても、神託以外にも、メッセージも降りてきちゃうわけね。


 メッセージというか……警告かなぁ。

 警告は言い過ぎかな……働きすぎについてなんてねぇ?


 あ! やっぱ警告かも!


 元の世界では、働きすぎは、確実な危険信号だ。

 ……過労死とか。


 やだな……異世界で過労死とか。


 あと元いた世界だったら、交通事故を起こしちゃうとか……そんなこともあるよね。

 異世界で、馬車で交通事故とか……絶対やだな!


 気をつけなければ!

 睡眠時間をたっぷり取るぞ! おう!



「それから、テレサさんからの伝言がもう一つあります。アウンシャイン様からのメッセージがもう一つあるそうです」


「まだあるの?」


「はい。それがまた不思議なのですが…… 『(カミナリ)使い』スキルを取得したラムルちゃんについての、メッセージです」


 ラムルちゃん!? 


 ラムルちゃんは、元怪盗ラパンのルセーヌさんが保護した亜人の子供たちの一人で、『花色行商団』として行動を共にしていた子だ。

 六歳の虎耳の女の子である。


 なぜ急にラムルちゃんなんだろう?


「どんな内容なんだい?」


「はい。ラムルちゃんを旦那様に同行させなさいというものだそうです。

 彼女にとって必要な出会いがあるそうです。

 旦那様は、今“壮大な出会いの渦”の中にいるとのことで、その渦を最大限に広げるためには、“必要な出会い”を積み重ねていく必要があるのだそうです」


 なんだそれは……?


 今までも出会いには恵まれてきたと思うし、いろんな人と出会ったと思うんだけど。


 まさか……これ以上濃いキャラとか来ないよね?

 いや、キャラの問題じゃないか。


 そして、出会いが集まってくるとか……“出会い系”みたいな言い方はやめて欲しい!


 それにしても、長めのメッセージが来たんだな。


 神託ってほどじゃないんだろうけど。


 わざわざメッセージをもらったんだから、それに従ったほうがいいね。 


 ラムルちゃんは、元『花色行商団』の子供たちと一緒に、『総合教会』の孤児院で暮らしているんだよね。


 今まで通り、そこの子供たちと暮らしたいだろうなぁ……。

 それに彼女は、『従者獣』アスタ、サクラ、ツバキの親で、霊獣『スピリット・ピンクパンサー』のグッドとラックが大好きだ。

 離れて暮らすとなると、嫌がるような気がするが……


「それじゃあラムルちゃんを連れて行こうと思うけど、一緒に暮らしていた子供たちと離れちゃうけど、大丈夫かな?」


「その点は大丈夫です。すでにテレサさんと一緒に、ラムルちゃんには話してあります。

 彼女は、今も毎日大森林に出かけて、他の『使い人』の子たちと訓練をしています。

 いつでも『総合教会』の孤児院に、転移で帰れると分かっているので、心配はしていません。

 むしろ、どんな出会いがあるのか楽しみだと言っていました」


 おお、すでに本人と話をして、了解を得ているのか!


 さすがサーヤだな。


 おそらくこの話は、今日の出来事だろう。

 こんな重要な話を、その日のうちに俺に報告しないはずないからね。


 それなのに、もう本人とすっかり話まで済んでいる……ほんとに、さすがだ。


「ありがとう。じゃあ問題ないね。一緒に連れて行こう」


 これで『ツリーハウスクラン』に常駐する俺の『絆』メンバーは、ニア、リリイ、チャッピーに続いて、盾の付喪神のフミナさん、『ホムンクルス』のニコちゃん、船の付喪神のエメラルディアさん、『雷使い』のラムルちゃんとなった。


 『絆』メンバーが七人いると、かなりの戦力になる。

 そういう意味でもよかった。


 いつまた魔物の『連鎖暴走(スタンピード)』とかが、起きるか分からない状況だからね。


 ちなみに、『ツリーハウスクラン』に常駐しているわけではないが、『アルテミナ公国』で活動している『絆』メンバーは、元冒険者のアイスティルさん、『コボルト』のブルールさん、『ハーフエルフ』のハートリエルさんの三人になる。


 アイスティルさんとブルールさんは、しばらく迷宮都市を離れ、公都に潜入したりなど別行動をすることになっている。


 ハートリエルさんは、もちろん引き続き副ギルド長の仕事と裏の顔としてレジスタンスのリーダーをするわけである。



 あと、アホ貴族ボコイに捕まっていたスライムたち百七体や、同じくボコイに捕まっていた『白金牛』のモバスチャンも『絆』メンバーだ。

 クランの農場にいる鶏、ヤギ、馬たちもね。



 改めて確認すると、結構常駐戦力も充実してきた。


 もっとも転移の魔法道具や、俺の『救国の英雄』としての『職業固有スキル』の『集いし力』を使えば、すぐに仲間たちを呼べるから、それほど常駐させていなくても、大丈夫なんだけどね。




読んでいただき、誠にありがとうございます。


ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

評価していただいた方、ありがとうございます。


次話の投稿は、明日の予定です。


もしよろしければ、下の評価欄から評価をお願いします。励みになります。

ブックマークも、お願いします。


何卒、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] >「それが……「『救国の英雄』に、働きすぎに気をつけて」と伝えてほしいというものだったとのことです……」  神様にお前目立つなよと釘を刺されましたがもう遅い……的な?(違) >元怪盗ラパン…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ