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1090.レア魔物ハンターを、目指そう!

 俺は、『貝殻提灯アンコウ』の貝殻の部分に入っている宝石について、ドンベンさんに尋ねた。


 少し気になっていたのだ。


 それによると、用途はあくまで装飾品としての宝石だとのことだ。


 ただ魔物から取れた宝石なので、普通の宝石よりも魔力は帯びているらしい。

 魔法石の一種とも言えるとのことだ。

 もっとも、効果は低く、お守り程度と思った方がいいらしい。


 そういえば、以前『スピリット・ブラック・タイガー』のトーラにプレゼントした首飾りには、『大地の魔石』が使われていて、筋力アップの効果があったが、効果が弱くお守りのようなものだということだった。


 俺の知っている範囲で言えば、魔法石は三種類ある。


 『上級(ハイ)』階級の魔法石は、『魔○石』と呼びばれ、威力が高く魔法の杖などに使われる。


 『エンペラースライム』のリンや『ミミックデラックス』のシチミが使っている『魔法の杖』の頭頂部に、セットされているものだ。


 リンの杖に元々セットされているのは『魔水石』で、交換用で『魔風石』も持っている。

 シチミの杖にセットされているのは『魔火石』で、交換用で『魔土石』も持っている。


 交換することによって、それぞれの属性の魔法攻撃が出来るのだ。


 『中級(ミドル)』階級の魔法石は、『火炎石』『風嵐(ふうらん)石』『水氷(すいひょう)石』『土岩(どがん)石』など『〇〇石』と呼ばれている。


 ピグシード辺境伯領の『マグネの街』の『ポカポカ養護院』にプレゼントした湯沸かしの魔法道具に使われていたのが、『火炎石』だ。


 ちなみに、『フェアリー商会』で多店舗展開している銭湯のお湯を沸かす魔法道具は、これと同じ『火炎石』を使って『ドワーフ』のミネちゃんが作ってくれた。


 『下級(イージー)』階級の魔法石は『〇〇の魔石』という名前で、『火山の魔石』『草原の魔石』『大河の魔石』『大地の魔石』などがある。


 『下級』の魔法石は、身に付けるだけでステータスを若干上げる効果があり、お守り的な用途で使われることが多いとのことだった。


 『貝殻提灯アンコウ』の貝に入っていた宝石は、これの一種と言っていいのかもしれない。


 ドンベンさんによれば、『魔力(MP)』の総量と回復量が若干アップする効果があるそうだ。


 お守り程度のものということだから、ほんの少しかもしれないが、少しでもアップするならいいよね。


 この石を『波動鑑定』すると……『イビル・シェルフットボールフィッシュの石』という『名称』になっていて、『階級』は『下級』となっていた。


 ドンベンさんの話では、希少なので人気があるとのことだ。

 『階級』は、あまり関係ないのかもしれない。


 一つ当たりの買取金額は十万ゴルが相場だそうだが、加工されて宝石となって市場に流通した場合には、百万ゴルを超えるものもあるらしい。


 そんな話を聞いてしまったので、この石を売却しない事もできるのかと尋ねたら、問題ないとのことだった。


 『冒険者ギルド』に対しては、迷宮で狩った魔物の『魔芯核』は必ず納めることになっているが、それ以外の素材の売却は任意なのだそうだ。


「貴重なので、売らずに持っていた方がいいかもしれないです」とドンベンさんも言ってくれ、「ニア様こそがお似合いになる」とか、わけのわからないことも言っていた。


 俺は、宝石以外を売却することにした。


 『貝殻提灯アンコウ』の状態がすごく良いと言うことで、ドンベンさんは、一体二十万ゴルの値段をつけてくれた。もちろん『魔芯核』込みの値段だ。


 相場の倍くらいになるようだ。


 俺は、一体はアンコウ鍋として食べてみたいので、『魔芯核』だけ販売することにした。


 『貝殻提灯アンコウ』の宝石抜きを三体で六十万ゴル。

 もう一体分は、『魔芯核』のみの売却で、五万ゴルとなったので、合計で六十五万ゴルになった。


 『魔芯核』が思ったよりもいい値段だった。

 大きさも、まあまあだったし、質も良かったみたいだ。



 販売しなかったが、宝石を売ったとしたらいくらになったか教えてもらった。


 依頼書では、一つ十万ゴルの相場だったが、実際の査定では……朱色の石が一つ十二万ゴル、黄色の石が一つ十五万ゴル、青色の石が一つ二十万ゴルとのことだった。


 程度はどれも良いので、上限でつけたという事のようだ。


 朱色が出ることが多く、他の色は貴重なのだそうだ。

 特に青は、珍しいらしい。


 貝殻の中には、六つ宝石が入っているので、俺は四体分合計で、朱色が十二個、黄色が六個、青色が六個持っている。


 これらを全て売っていたとしたら……三百五十四万ゴルになっていた。

 魔物の素材部分や『魔芯核』の代金まで合わせると……四百十九万ゴルになる。


 これはおそらく……レベルの高くない冒険者が倒せる魔物の中では、一番くらいに稼げる魔物ではないだろうか。


 見つけるのが難しいレアな魔物だが、非常においしい魔物だというのがよくわかる。


 それにさっきのドンベンさんの話では、この石の買取相場に比べ、装飾品に加工して販売したときの価格は、十倍近くになっていた。

 まぁ最大そのくらいということなんだろうとは思うが。


 自分で加工して販売できるなら、めっちゃ稼げるってことは間違いない。


 これで無理に稼ぐ必要はないのだが、仲間たちへのプレゼントにしてもいいし、ネックレスでも作ってみるかな……。


 この石に、タニシ魔物のパステルカラーの綺麗な貝殻を組み合わせたら、小洒落たものが作れそうだ。


 お守りにして、クランのメンバーにプレゼントしてもいいな。


 それを目指して、また『貝殻提灯アンコウ』を狩りに行こうかな。


 もちろん、『波動複写』すれば簡単にコピーで増やすことができる。


 でもそれよりは、迷宮で自分で狩った方が楽しいと思う!


 レア魔物ハンターを目指そう!


 今回のおいしいクエストを教えてくれたゴヤ少年には、本当に感謝だ。

 彼は『冒険者ギルド』の近くにある『ミトー孤児院』の子で、何人かの子たちと交代で、掲示板の読み上げ係をしている少年だ。

 また彼に、レア魔物の情報を訊くとしよう。


 一度、孤児院の方にも遊びに行ってみよう。


 ギルド長が仕事を世話している孤児院だから、変な状態にはなっていないと思うが、迷宮都市の孤児院を調査するという案件からしても、ちょうど良い。


 支援もしてあげたいし。


 そうだ! 今回の『貝殻提灯アンコウ』の売却代金六十五万ゴルは、孤児院に寄付してあげよう!






読んでいただき、誠にありがとうございます。


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次話の投稿は、明日の予定です。


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