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1064.夜に、お客様。

 ナビーが報告してくれたおかげで、『状態異常付与』スキルが、かなりのすごいスキルだということがよくわかった。

 もちろん、スキルレベルが10だということも大きいけどね。


 『状態異常付与』は、『通常スキル』ではあるが、ほとんど所持してる人はいないだろうから、レアスキルと言ってもいいのではないだろうか。


 『エンペラースライム』のリンちゃんが、所持していたスキルなんだよね。

 相変わらず……リンちゃん、グッジョブだ!


 そして、検証や調査をしてくれたナビーも、グッジョブだ!

 引き続きの検証に期待したい!


 俺の心中のそんな思いもナビーさんには筒抜けなので……「相変わらず丸投げですね」と毒を吐かれてしまった……トホホ。



 通常の『状態異常』の中に入っている『毒』『麻痺』『催眠』『魅了』『混乱』については、『状態異常耐性』スキルや『状態異常反射』スキルや『状態(コンディション)最適化(グリーン)』スキルがあるので、俺の『絆』メンバーが被害を受けることはおそらくないだろう。


 『状態異常反射』スキルは、通常は俺の指示で、任意発動状態にしてもらっているが、『状態異常耐性』スキルは常時発動状態なので、不意打ちを食っても耐えられると思う。


 ちなみに反射系のスキルを、常時発動状態にさせていないのは、ゴロツキとかが攻撃してきたときに、反射で殺してしまわないようにするためだ。

 『物理反射』が、アクティブな状態になっていれば、ほんとに反射して、ゴロツキが死んでしまう可能性があるからね。

 まぁそんな奴は死んだとしても自業自得なのだが、一応、無用な殺生を避けるためなのだ。

 耐性スキルで大事には至らないという担保があるから、できるんだけどね。

 万が一影響を受けても『状態(コンディション)最適化(グリーン)』があるしね。


 やはり怖いのは、『特殊状態異常』だ。


 俺自身は、『限界突破ステータス』のおかげで強いレジスト能力があるから、多分大丈夫じゃないかと思う。

 俺の『絆』メンバーにも、俺のレジスト能力が及ぼせればいいんだけどな……。

 まぁできないこと言ってもしょうがない。

 やはり情報を集めて、対策を考えることにしよう。

 そして迷宮で武者修行しよう!




 ◇





 『ツリーハウス屋敷』に戻ってきた。


 子供たちは、もう寝ている。


『クラン本館』に入ると、なんとお客さんが待っていた。


 それは……『冒険者ギルド』副ギルドのハートリエルさんだった。


 ハートリエルさんの攻略者仲間だった『コボルト』のブルールさんと、元冒険者のアイスティルさんも一緒だ。


 どうやら……やっとハートリエルさんと落ち着いて話ができるようだ。


「グリムさん、お待ちしてました。ハートリエルさんが話をしたいって言うので、連れて来ちゃいました」


 アイスティルさんが、上機嫌だ。


 俺は会釈をし、応接室に通した。


 『冒険者ギルド』の副ギルド長のハートリエルさんは、『コボルト』のブルールさんや後天的覚醒転生者で元怪盗イルジメのオカリナさんと迷宮攻略者パーティー『火縄魔釣(ひなまつり)』を組んでいた人だ。

 十四年前から二年間、行動を共にしていたということだった。

 『コウリュウド王国』にある迷宮都市で活動していたのだ。


 今は表の顔である副ギルド長とは別に、公国に対するレジスタンス組織『月の光』のリーダーをやっているとのことでもあった。


「改めまして、ハートリエルさん、よろしくお願いします」


 俺は、ハートリアルさんに手を差し伸べた。


 ハートリエルさんは、一瞬戸惑っていたが、握手に応じてくれた。


「昼にも言いましたが、あなたの話はすでにブルールとアイスティルから散々聞いています。そして我々レジスタンスが保護している人たちを、安全にピグシード辺境伯領に移民させてくれるという話も聞いています。まずは感謝します」


 ハートリエルさんは、深く俺に頭を下げた。


「協力できて、嬉しいです。すぐにでも、移住先にお連れすることができますが……」


「はい、すぐお願いしたいと思っています。公国軍のレジスタンス狩りの動きが活発化しているので、危険な状態ですから」


 ハートリエルさんは、少し憂いを帯びた表情になった。

 組織のリーダーとしては、心配だよね。

 レジスタンス組織の現場で指揮をしているのは、同じく攻略者仲間だった『鬼人族』のシュキさんということだが、リーダーである自分が組織と共にいれないのは、辛いのだと思う。


「グリムさん、それで私とブルールさんは、しばらく迷宮都市を離れようと思うんです。助けた人たちを避難させている隠れ家に行って、ピグシード辺境伯領『セイネの街』に送り届けます」


 アイスティルさんが、申し出た。

 もちろん俺に否やはない。


「わかりました。是非そうしてください。お二人とも転移の魔法道具を持っているので、それで連れて行ってもいいですし、念のため『箱庭ファーム』の魔法道具を貸します」


 俺はそう言って、『箱庭ファーム』の魔法道具を渡した。


 この中に一時的に入ってもらえば、多くの人を安全に簡単に移動することができる。


「ありがとうございます。状況に応じて使わせてもらいます」


 ブルールさんが、頭を下げてくれた。

 彼女も昔の仲間であるシュキさんに早く会いたいだろうし、力になりたいという思いが強いのだろう。


「この後、サーヤを呼びますから、サーヤとともに一旦『セイネの街』に転移してください。そして二人の転移の魔法道具に、転移先として登録してください」


「分りました」

「承知しました」


「グリムさん……、えっと……私もグリムさんと、よ、呼ばせてもらいます。……本当に助かります。最初は滅茶苦茶な奴だと思ったけど……こ、今後ともよろしく……お願いします」


 ハートリエルさんが、再度頭を下げてくれた。

 バツの悪そうな表情で……ぎこちない感じだ。

 そしてなんとなく……軽くディスられてるような気がするが……まぁいいけどさ。






読んでいただき、誠にありがとうございます。


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次話の投稿は、明日の予定です。


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