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やんぐじじいの学園知識戦  作者: 鹿せんべい
2/2

1話 登校初日

「うおおおおおおおおおお」


活発的なイメージのある赤髪の少年が通学路を突っ走る


「......どんだけ元気だよ」


「元気でいいわねぇ」


同じ学生や通学路にいるおばあちゃんの反応はこんなものである。


「うおおおおーーっそい!」


......べたぁん


爆走していた少年は高く飛び上がり、数秒間滞空したのち、高い壁ちぶち当たる。


「さてはあいつアホだな」


「あらあら......やんちゃねぇ」


その光景を見ていた者達の少年に対するイメージはその瞬間に確固たるものになった。


「こちらの魔道エレベーターをお使い下さい」


受付嬢が少年ににこやかに話しかける。今少年がぶつかった壁は学校の壁だ、と言っても普通の高さではない、実に100メートルはある。外敵から学校を守るための設備だ。


「いや、俺はこの壁を乗り越えなくてはならない!こんな所で怯んでいては、俺は一生伝説の勇者、ルロイ様のようにはなれないんだ!」


「こちらの魔道エレベーターをお使い下さい」


すぐ隣にある、3秒ほどで上までたどり着くことが出来るエレベーターに乗るよう受付嬢は再度うながす。


「もうちょいだったんだ!」


「こちらの魔道エレベーターをお使い下さい」


全然届いていないのにも関わらずどうしても諦めない少年に受付嬢のような女性は少年ににこやかに話しかける。こころなしか眉がひくついている気もするし、額に血管が浮き出ている気もするが少年はお構い無しに助走を付けようとする。が、そのときーー


「すみません受付嬢さん。こいつこの学校が初めてでして」


赤髪の少年はいきなり現れた金髪の少年に脇の下から手を通され、引きづられていく。


「君はバカか!?」


「ーーっは、誰だてめぇ!はなしやがれ!」


赤髪の少年は近くの木の影まで引きづられ、我に返るように金髪の少年を突き放す。


「君はあの受付嬢をしらんのか!」


「あ?知るわけねぇだろ、ってか誰だよお前は!」


いきなり現れ説教を始める金髪の少年に赤髪の少年は名前を聞く。


「あぁ、悪かったないきなり、僕の名前はアルディンだ。君の名前は?」


「俺の名はマカリエスだ。マカリエスキーガン。で、あの受付嬢がどうしたってんだ」


お互い自己紹介をし、改めてマカリエスが質問をする。


「あの受付嬢は結構有名でな、見た目は穏やかな感じだが、その、なんて言うか、簡単に言えば短気だ。さらに言うと怒ると容赦がないらしい。」


アルディンが受付嬢の恐ろしさを深刻な顔で伝える。

どうやらあの受付嬢には逆らわない方がいいらしい。


「なるほど。それはやばいな、教えてくれてありがとう。だが俺は偉大な勇者になる男だ!あんな受付嬢ごときに気を使っている勇者など、どこにもいない!」


「バカ!やめとけ!」


そう言い残してマカリエスは再度走り出す。

そしてたっぷり助走を付け、再度跳躍したーー


「べふぅっ」


が、瞬時に叩き落とされる。アルディンの顔は既に青ざめている。マカリエスは何が起きたのか分からず、キョロキョロしている。


「おい、ガキ」


いきなり目の前に先程の受付嬢が姿を現す。


「は、はいっ」


「さっきエレベーターを使えって言ったろ、しかも3回だ。なぁ、ナメてんのか?おい、うんとかすんとか言ってみろやぁ!」


「すん」


マカリエスは完全に萎縮してしまっている。周りの生徒は時が2倍速になっているのかと勘違いしてしまうほど早足でエレベーターに乗り込んでいた。アルディンもエレベーターに向かおうとするがーー


「おらぁぁ!特別サービスだボケェェ!」


アルディンは見てしまった。マカリエスが襟の後ろを掴まれ、学園めがけてぶん投げられる間際、こちらを助けてと言わんばかりの涙目で見つめているのを。


「ひゃん」


その後、アルディンが受付嬢に睨まれながら登ったエレベーターの3秒間は、とても長く感じた。そして、エレベーターをのぼった先には、案の定マカリエスが頭から突き刺さっていた。

アルディンが初めての見た学園の景色には、しっかり突き刺さったマカリエスが刻み込まれた。

マカリエスが初めて見た学園の景色には、土しか無かった。

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