P,1 双子の姉の独白(と独り言)から始まる日記。
幼い頃から、あたしには夢があった。
白馬になんか乗らなくったって良い、お伽噺に出てくる様な王子様でなくても良いから、とても優しく、あたしを心の底から愛してくれる、そんなあたしだけの王子様。
だが、あたしの身分は只のしがない学生だ。女生徒だ。
親のコネ(?)だったり元華族、深窓の令嬢でも何でもない。というか、何にも無いの方が適切な表現な気がする。
どこをどう間違ったってこんなあたしに振り向いてくれる男はそう居ないだろう。
そう、「18歳になったら同級生の男の子と結婚するんだ! って事は、もしかして高校生にして人妻!?JKで人妻!?なんだか自分のポテンシャルの高さにびっくりだよ!エクスなんちゃらかんちゃらマークだよ!」
なんて、双子の妹に毎晩愚痴ってるあたしにはどだい無理な話なのだろう。
まあ、お昼間にも友達に豪語してる事もたまに、いや、かなりの確率であるんだけど。
おっと、自己紹介が遅れてしまいました。これは失礼。
ではでは~、仕切り直して~、自己紹介ですッ、さんはい!
「池永エリーゼ!16歳!双子の妹が居て半分海外の血が混ざっててお母さんがあたし達を産んですぐに亡くなった事以外、あと1年で結婚できるかどうかと、受験で不安な至って普通の中学3年生!ちなみに、太陽星座が乙女座で月星座が蠍座の女な、B型の女の子!」
かくして、あたしの日記の1ページ目が埋まったのだった。