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Practice

作者: 梨

自分に疑いをかけることでずっと生きてきた。

というのが僕を説明するうえで大事なことだろう。

これが正解だ。と言うことが禁じられているような環境で気持ちで生きてきたもので、安心していたことなどあっただろうかと過去をたびたび振り返る。

自分の言葉に常に疑いを持ち、少しでも改善の余地があろうものなら過去の自分も現在の自分も恨むというような生活を繰り返してきた。

そんな中で唯一正解に見えるものがあった。

彼女に出会ったときにいつか必ず僕は彼女と関わることになるだろうと思った。

そしてそれは正解だった。


初めて彼女と寝たときに僕はある自分の行動と自己を恨んだ。

彼女と並んで横たわるベッドの上で

自分の世界で自己嫌悪にまみれて彼女と話すことをやめた。

しかし彼女はすぐに僕を連れ戻してくれた。

僕を子どものように抱き寄せ頭を撫でてくれた

僕は自分への嫌悪を他人の愛でかき消せることを初めて知った。

自分の罪が許されたような気持ちに初めてなった。

これが安心というのだと初めてしった

愛がいくらどこに存在していてもそれが見えないときには何の意味も無いのだと僕は思う。


愛される、愛する

というように動詞になっているが、それには理由がある

愛し愛するということによって初めて愛は存在するのである。

目に見えぬ愛など語る者もいるがそれは怠慢である。

誰かを愛し、自己を乗り越えているものは行動に移さずにはいられないのであろう。

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