ゲーム感覚で
まずはマップを呼び出す要領で、“黒い影”の場所を呼び出す。
結構量があるのは分かった。
「これ、一日で回り切れないわね。とりあえずここの家の周辺だけでも抑える? それともこれから潰しに行って、一つづつでも減らしておく?」
「減らしましょう、そしてどちらが沢山潰せるか競争しましょう、ミドリちゃん」
やる気満々なリアナだが、
「確かにそういったゲームぽい要素があると楽しいかもしれないわね。よし、それで行くか」
というわけで競争することになったがそこでグレンとルーファスが、
「俺もそのゲームに参加しよう」
「では私も」
そう二人で言い合ってグレンとルーファスが顔を見合わせて、頷く。
だがそれらの行動を見ていた従者のフィズが、
「止めてくださいグレン様、そしてルーファス様! お立場を考えてください! 王子ですからね、二人とも王子様なんですからね!」
「大丈夫だ、俺はそこまで弱くはない」
「私もそこまで弱いと思われるのは心外かな」
「そういう問題じゃないです、王子だから普通に裏で暗躍していてください! というかこの……もう、もうこんな仕事なんて、止めてやるぅううううう」
そう叫んだフィズだったが、それにグレンが、
「あ、それは駄目だフィズ。お前ほど信用できる有能な従者はいないから、俺は逃がす気はないな」
「……もう嫌だ」
嘆く従者のフィズの苦労性な感じがとてもよく見て取れる一幕であったのだった。
それから、“黒の影”をみんなで次々と潰していく。
途中、見回りの騎士たちと遭遇しそうになったが、あのアズフォードがいるわけではなかったので全く気付かれることも無く、リアナの家周辺の“黒い影”をすべて殲滅した。
もちろんそれらの場所には映像が見れるようにしてある。
きちんと設置されたかを私は確認してから、
「“黒い影”が現れる場所は、その“黒の影”が生じやすい要因があることも多いから、倒されてもまたそこから発生したりするのよね」
それを考えると犯行現場に、犯人が戻いって来る可能性も高いのだ。
ついでに昼間アズフォードと遭遇した場所にも設置。
残りはまた今度になる。
ちなみにその“黒の影”を倒した順序は、リアナ>私>グレン>ルーファスだった。
「私が一番したか。精進しないといけないな」
「いえ、僕が一番下なので、精進なさらないでください。危険な場所に向かわないでください」
従者のフィズが死にそうな顔になっている。
そんなこんなで私達の“駆除”と“犯人捜しの罠”は終了したのだった。
次の日、夜のうちにルーファス達は城に帰ったのはいいとして。
リアナを見送った私は、映像を確認。
しかし何も起きない。
「仕方がない、料理でもしようっと。お菓子づくりも」
と言って楽しんだのだった。
けれど、それを作り終わった私は、ある光景に出くわしたのだった。
その日の午前中のひと時。
グレンは、フィズと一緒にこの城のルーファス王子の執事に案内されて、城の中を見て回っていた。
やがて、一つの井戸に辿り着く。
そこでその案内人の執事にグレンは、あることを頼んだのだった。
その日、リアナはルーファスと一緒にアズフォードと接触したりしていた。
「と、いうわけでお手伝い願えますか?」
「はい!」
即答なアズフォード。
そして、新たな仲間を探しにリアナがフラグのために、その人物のいる場所を訪れるが、
「いない? 変だな、ミドリちゃん、間違えたのかな?」
「そのようだな」
ルーファスも確認したがいない。
そこでアズフォードが、
「この開かずの間と呼ばれる部屋の主がいないなんて、珍しいですね。……何かあったのか?」
そう呟いたのだった。




