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あっさり手のひらを返したのだった

 乙女ゲームでタイムアタック。

 よくゲームなどでは何週もしたり何度もやってしまった場合、今度はどれだけ短時間でクリア出来るかといった戦いへの段階に移行する。

 それは置いたおくとして、この乙女ゲーム内での落とせる男性キャラクターは、確か、イケメンが5人。


 ちなみにまともな、あの駄目王子の上の王子が攻略キャラでいた気がする。

 というか兄弟仲があまりよろしくなくて、弟が兄を殺そうとする下克上展開があったような……。

 そしてあの駄目王子のために身を粉にして暗躍するはずだったが、私は逃げた。


 そろそろ本来の展開が続いていくなら王子の地位返上な感じになっていそうな気もするのだが、さて、それも恋愛フラグになっていたような。

 その辺りの好感度上昇は使えない。

 となると好物の貢ぎ物だったり、秘密の共有だったりで好感度を上げていくか?


 他にも遭遇する場合のフラグが幾つかあって、その時の受け答えで変わったはず。


「リアナ、まず宮廷に入ってすぐにイケメン伯爵であるブラッドリーに背後を取られたら……」

「分かりました、魔法で一撃必殺ですね! 先手必勝ですものね!」

「違う! 今回はそういった“物語”じゃないから。驚いてから、『脅かさないでくださいよぅ』という感じに答えて」

「……私が、ですか?」

「そうよ」

「そもそも私が背後を取られると思うのですか? ミドリちゃんは」


 リアナはにこりと微笑みながら私はそう告げた。

 だが、確かに妙な能力はもっていたがこのヒロイン、本来はそんな背後に敵の気配が、というようなタイプではなかった……は……ず?

 そこまで考えた私は、物語特有のご都合主義が働いていたような気もしなくはない。


 だが現状では出来る限り、宮廷内の味方は多い方がいい。

 乙女ゲームの様に、


「リアナには次々とイケメンを落としていってもらわないと」

「逆ハーレムですか。でもそれはそれで面倒そうな気がしないでもなく?」

「いいじゃない、モテモテだし。私のために争わないでができるじゃない」

「……うう」

「とりあえず、そうやって一人づつ落としていって。初日で回収できそうなフラグは……」

 

 というわけで、全員の好感度上昇のきっかけを教えていく。

 説明してから復唱させて、覚えさせる。

 これで完璧な、モテヒロインの完成だ。


 でもこれで全員がリアナに惚れたらどうなるのだろうか?

 全員に惚れられて、6P展開になったら笑顔で私は見送ろうと思う。

 まさに、悪役令嬢たる所業!(ドヤァ)


 さて、その辺は後々という事にして、そこでリアナが、


「うう、口説いたりするよりまたミドリちゃんと一緒に、『魔法少女と言えば、杖で波動砲が打てないとね☆』って言って、極太の白いレーザーで敵を殲滅したいです」

「……今はそういった“物語”じゃないから」

「うう……モテ期はいいけれど面倒だよぅ」


 愚痴るヒロイン、リアナ。

 その様子を見ていたグレンが、


「ミシェル、一つ聞いていいか?」

「何?」

「無理じゃないのか?」

「……できる出来ないにかかわらず、人間やらなきゃいけない時があるの!」

「適材適所って言葉、知っているか」

「……何よ、私に口説いて来いっていうの? リアナの代わりに」

「リアナには頑張ってもらおうか」


 グレンはあっさり手のひらを返したのだった。




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